今後のお互いの関わり方を明確にしてみてください。

公認心理士 / ｽｸｰﾙｶｳﾝｾﾗｰ / 研修講師 / ｺｰﾁ 増田 進明

ご相談ありがとうございます！
内容読ませていただきました。


ことのきっかけは彼氏ができたということから始まっていると文面からは受け取れるのですが、
現在もその男性との交際が影響を与えている感じなのでしょうか？

これはとある女子少年院の院長先生から聴いたことばなのですが、
女性の場合は男性の影響によって生活態度が乱されることが非常に多いそうですので、

もし現在も彼と交際中で、その影響が大きいとお母様がお感じであるならば、
ご息女の状態はロミオとジュリエットのように、周りがなんとかしようと思えば思うほどかたくなになってしまうことが考えられます。

その場合は交際自体にはあまり否定的にならずに、交際はともかく生活全般がどうすればより良い方向に行くかについて、
考えてあげてほしいと思います。


発言が二転三転するとはいえ、家庭教師をつけてほしいと言ったりするということは、
ご息女はできるなら周囲に認められた形で生活していきたいと考えている部分もあると伺えます。
その部分は認めてあげてほしいし、信じてあげてほしいと思います。

しかし一方で自分の好きなように生きたいという非現実的なあまえた気持ちもありますので、
そっとしておくだけでその考えが改善しないと感じられたときは、伝える必要があります。


親が伝えたいことも伝えられないなんて状態は好ましくありませんので、
コミュニケーションをしっかり取れるようにしておく必要がありますが、

親と子の関係が変わりつつある時期ですので、伝え方を見直してみる必要があるかもしれません。


そこで、では伝え方はどのように？という話になります。


子供に様々なタイプがいますので、一概に言えないのですが、
文面からだとご息女は話が自分の都合の悪い方向に行くうちに黙り込んでしまうタイプのご様子なので、
あまり強硬な態度で接することはオススメできません。


文面からは読み取れませんが、どちらかというとお母様に話し合いでは言い負けてしまう感じかもしれませんので、
その場合は話すこと自体に否定的な感情を強く持っている場合があります。

時間がかかってしまいますが、受容的な話し合いをこころがけて、１回でひきだせた内容が少なくても、
日数をかけてコミュニケーションを取り、ヒアリングを前提とした話し合いをした方が良いと考えます。


ただ、そうしているうちに状況が悪化したりする出来事が起きてしまうかもしれません。

ですからまずは近いうちに、

①現在の状況の相互確認
（例）今はあなたの将来を左右する大事な時期だと思っていて、
それを誰よりもあなた自身が感じているからこそあなたも揺れているんだと思う、という認識を示す。


②だから、話し合いに時間をかける価値があることの相互確認
（例）大切なのはあなたがより良い生き方を見出すことだと思うし、じっくり考える価値があることだから、結論はいそがなくていい。

結論が出たと思っているのであったとしても、自分も人間だし親としての気持ちがあるから、
あなたの言い分を今すぐそのまま受け入れることはできないし、心の整理をつけるには時間がかかることを確認する。


③お互いの今後の関わり方の確認
（例）自分（お母様）にしかできない協力も現実としてあるわけだから、コミュニケーションを取り合う必要がある。
協力するとしてもいろいろ話をしてからにしたいので、向き合って話し合いをしてほしい。

感情的になるとうまくいかないことは経験してきたわけだから、今後ついそうなってしまうことがあるとしても、
基本的には冷静に話し合いをしていきたい、と提案する。


…といった前置きくらいはしておいた方がいいと思います。
（現在のお母様とご息女との関係がどの程度のバランスなのか、文面では完全には推し量れませんでしたので、
もし内容的に不具合があれば、多少アレンジしていただけたらと思います。）


肝心なのは、①～③について「お互いが」共通認識を持つことです。

これは少年院でも生徒と確認しあっていたことでもあるのですが、本人と自分との関係を誠実なものにする内容であれば、
共通認識として相手も受け入れてくれますし、ひとつの約束事として、今後なにかあってもそのスタイルでいくことができますので、
前もって伝えておくと良いと思います。


また、親戚などの周囲の方で、第３者的にコミュニケーションを取っていただけるような方がいたら、その方の協力を得ることもお勧めします。
どうしても当事者（実の親）が相手だと素直になれないという心境があったりもしますし、

以前のように大家族で育ち、地域社会の様々な世代の方と関わる経験が豊富な時代と比べて、子供は視野が狭くなりがちなので、
そういった意味でも一助になるかと思います。


コミュニケーションを多く取っているうちに、だんだんとお互いの考えが整理されてきますし、
そのときは親の意見に反発していても、その後考えたりしてすこしは受け入れるようになったりもしてきます。

そしてお母様ご自身も、今までの子供との関わり方を見直したり、
ご自身の譲れないところと、ここまで期待しては執着かもしれないというところがはっきりしたりするなど、
双方に成長がありますので、コミュニケーションの土壌を作っていくことを前提に働きかけをしてみてください。


私からはややノウハウ的なことを申し上げましたが、
お子様のことを本気で思っているお気持ちが土台にあればこそのお話で、

そのお気持ちはとても伝わってまいりますので、大丈夫だと確信しています。

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回答日時：2009年9月24日(木) 02:35 JSTお礼のコメントを書く

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