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回答プロ:公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談者:20代/男性
初めまして。よろしくお願いします。相談は私の実の弟のことです。現在23歳です。
中学3年生くらいから学校に行っておらず、高校にもいきませんでした。
親戚のところなどで何度かアルバイトはしましたが、長続きせず、昨年の9月からは無職で家にいました。
しかしその後は家族のことも避けるような生活で、ご飯は一人部屋で食べ、日中寝て夜どこかに出かけるような生活をしていました。
家族はなにを聞いても「お前たちには関係ない」というような状態で、どうしようもありません。なにか解決法があれば教えていただきたいです。よろしくお願い致します。
20代/男性 | 日付:2009年11月 9日(月) 18:39 JST | 閲覧件数: 1,305
公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談ありがとうございます!
内容、読ませていただきました。
まず、昨年9月から不就労が続いている状態で、どこかに出かけたりしているというのは、
弟さんご自身の貯蓄を切り崩しながら、外出費を捻出しているということでしょうか?
それともご両親の経済的援助を得ながら生活しているのでしょうか?
文面では読み取れませんが、もし後者であれば、「お前たちには関係ない」というのは、
随分身勝手な発言ですね。
昨年の9月までは長続きしないまでもお仕事はされていたということであれば、
単に働きたくないという感じでもなさそうなのですが、その点実際はいかがなのでしょうか?
それと、そもそも中学3年生くらいから学校にいかなくなったいきさつについても
様々なご事情があったことでしょうし、それらの人生背景を抜きにして、
なにか解決策を講じるのはやや乱暴な感じがしますが、
その上であえてお伝えしますので、その点はご承知おきください。
①先にあげたように、弟さんの今までの人生背景について、今に至る原因となる様々な
出来事があったことと思います。
これらを推測でかまいませんので、まずはあえて受容的に、同情的に、
弟さんのつらさ、苦しさを推し量ってみてください。
弟さんも、自分のベストを尽くそうと思ってがんばっていた時期がきっとあるはずですから、
それでもできなかった結果の現在におかれては大変な自己嫌悪があるでしょうし、
ときには誰かのせいにしたい気持ち、あるいはほっておいてほしい気持ちなど、
マイナス感情があろうかと思います。
そんな弟さんに追い討ちをかけるようなしうちをすることは、できるかぎり避けていただきたいので、
最初のこころがけとして考えていただきたいと思います。
②次に、「弟をどうするか?」という考えでなく、「自分たちがどうあるか?」という視点で考えていただきたいと思います。
ついどうしても「弟を変えよう」と思いがちですが、
それよりは自分たちが変わるほうが楽ですし、現実的です。
弟さんが今現在のような生活をすることで、ご家族が「困っていること」はどんなことでしょうか?
経済的な負担があれば、具体的にどのくらいあるのか?
たとえば世間体の面で困っていることがあるかもしれませんし、
単に弟の態度が気に入らない、といったこともあるかもしれません。
自分の本心の部分ですので、何で困っているのかを明確にしてみてください。
③次に、その困っていることの中で、取捨選択をします。
よくよく考えれば自分の「執着」というか、過度に弟に要求しすぎていたことがあるかもしれません。
冷静に考えたら許容範囲であるものに関しては、手放すようにしてください。
ときとして自分の執着や固定観念で、自分で勝手に自らを困らせてしまっていることが
あったりもしますので、それらをそぎおとします。
④それらの手順を踏んだ上で、やはりここだけはこうなってほしい、という部分が残るかと思います。
その点については、熟慮した上でやっぱり弟に求めたい部分であるわけですから、
基本的にはどんどん伝えた方がいいと思います。
ただ、現在弟さんはあまり聴く耳を持っていない状態ですから、
なんとかしてコミュニケーションを取る必要があるわけです。
「聴く耳を持っていない状態の人と、どうコミュニケーションを取るか?」
については、
ご自身(ご依頼主様)が大変な決意を持って、
弟さんと本気で伝えたい、向きあっていきたいという熱意を持つことができれば、
その本気度が相手に伝わるものですので、
その気持ちがご自身にあるかどうかが大事な要素です。
ただ、現実問題そこまでの決意を固めるには、覚悟を決めるのにある程度の時間が必要だったりもしますし、
それこそ私のお話が精神論に走りすぎているように聞こえてしまうきらいもありますので、
方向性としては、やはりご自身の「熱意、本気度」にかかっている部分も大きいという
ことは申し上げておきますが、
それ以外にお伝えすることとしては、
まず、コミュニケーションを取れていない状態であることを、ご自身が
問題視しているんだよ、という事実を伝えるところから始めるとよいと思います。
「せっかくの家族なのに、話し合うことさえもできないことは悲しいし、
その状態を改善したいと思っているんだけど、どう思う?」
という質問で終わらせる感じで、率直に伝えるところからスタートすると良いと思います。
そしてそれに対する反応がありますので、そのときは「あぁ、そう思っているんだね」と
受け入れるだけにして、
それに対してどう答えるかは、また後日にします。
たとえば「お前たちと話すことはない、関係ない」という反応があったとしたら、
「そうなんだ、そう思っているんだね」という感じでその場は終わらせます。
次に、「あなたも大人だし、いちいち口を出すことはしないけど、これだけは伝えたいと思うことについては、やっぱり家族なんだし伝えていきたいと思っているんだけど、
それについてはどう思う?」
という感じで聴いてみるといった感じで、徐々に弟さんの気持ちを引き出してみる方法がいいと思います。
そうしているうちに、コミュニケーションがすこしずつでも取れるようになったり、
もしかすると家族に対するマイナス感情が見え隠れしてくるなど、心情がよりわかるようになるかもしれません。
コミュニケーションが円滑になっていない原因が見えてきたら、
最後にはそれらを清算できるように、お互いが向き合っていく必要が出てきます。
①で述べましたように、あえて受容的なお気持ちで向き合っていただければと思います。
それらの積み重ねから、弟さんとのこれからの「新たな関わり合い」を構築していただければと思います。
回答日時:2009年11月16日(月) 01:54 JSTお礼のコメントを書く
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