相談&回答 |
約8分で読めます。
※相談&回答を読んだ時の目安時間 |
回答プロ:公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談者:10代/女性
突然の相談失礼します。
私は、人付き合いが苦手で、友達の前では
いつも「明るい」自分を演じてきました。
でも、最近はそうじゃありません。
自分を隠してる事がしんどくなってきて、
何に対しても無気力だったり、イライラしたりして・・。
友達に「最近、変わったよね。」と言われてしまいました。
でも、最近は自分の意見をいえるように努力をしているんです。
だけど、今までの私は明るく、前向きに頑張るフリをしていても
自分の思っていることは決して言いませんでした。
自分の言った一言でもめたり、嫌われたりするのが怖かったんです。
だけど、最近は自分の意見を言う私を周りから認めてもらえません。
「最近、生意気になった」とか、「前の方が好きだった」とか・・・。
すごく傷つきました。どうして私がそこまで言われなくちゃいけないのでしょう?
しんどいです。人付き合いも、自分が生きている事も。
私は、自分の意見を言ってはいけなかったのでしょうか?
10代/女性 | 日付:2010年2月28日(日) 19:37 JST | 閲覧件数: 3,399
公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談ありがとうございます!
内容、読ませていただきました。
まず、そもそも人は成長していくにつれて、人付き合いのあり方を変化させ、「自分のスタイル」として確立させるために、
悩んだり、いろいろ試してみてうまくいかなかったりと、「試行錯誤」を経験する生き物です。
成長するにつれて、「なんか本当の自分を出せていない」などと、
なにかなじめない、違和感を感じるようになるのはむしろ自然なことです。
今まではどちらかというと周囲に自分を合わせているような感じであった方が、徐々に自分の素直な気持ちを表に主張したくなったり、
反対に今までは自分の素を出していた人が、だんだんと自分を抑えて周囲に合わせることが心地良くなったり、
心境の変化がどのようなものかは人それぞれかもしれませんが、いずれにしても成長していくときに必要となる、「試行錯誤」の際に様々な悩みを抱えるものです。
ご依頼主様は成長されている中で、自分という個性が、人付き合いという点において、
一番「居心地が良い」と感じられるようなスタイルはどんなものなのか、ご自身なりに今まさに試行錯誤しているところだと感じますし、
その結果周囲の人たちの中に、「変わってしまった」と思う人がいても、ある程度は仕方のないことかもしれません。
いろんなことを言ってくる人がいますが、基本的に今から述べる2点について抑えた上で、
今後の人付き合いについて、自分のスタイルが確立するまで、試行錯誤をしてみてください。
それは、人付き合いにおいて、
① どんな自分でありたいのか
② ①の自分でいるために自分が現在「困っている」、あるいは先々「困ることになりそう」なことはないか
の2点です。
①についてですが、これはご依頼主様が今まで経験してきたとおり、
自分を偽ってその結果ストレスを溜めるような人付き合いをしていると、いつかどこかに無理がでてきます。
ですから結論としては、自分を出したい人は出し、そうでない人は無理に自己主張しなくてもよいといった、
「自分に素直な」生き方をすることです。
長期的に見れば、それが一番生産的な人生にすることができます。
言いたいことははっきり言うようなタイプが性に合う人もいますし、
普段は我慢して、でもこれだけはというタイミングでは言う、というタイプが好きという人もいますし、
ぐっと我慢して、でもだれかが一人でもそんな自分をわかってくれていればそれでいいという考え方に、なにか美学を感じるようなタイプの人も
いるかもしれません。
いろんな考え方の人がいますが、その人が本心から「こういう自分でありたい」と思っている人付き合いのスタイルであるのであれば、
そのスタイルで行った方がいいのです。
試行錯誤の段階であるからこそ、本当に自分が望む人付き合いのあり方って、どんなものなんだろう?という、
「自分を見つめる」作業をしてみてください。
そして「それでいいんだ」と思ってくれて間違いありません。
また、あなたが一番心地よいと感じるスタイルと、他の人のそれとは違って当然ですので、
他人と比較する必要もありませんので安心してください。
周囲の意見は多少参考にはするようにした方がたしかに賢明ですし理想ではありますが、
その結果心から求める自分のあり方までも無理に曲げてしまったりすると、
一時的にはなんとかなっても、長期的には非常に消耗的な人生になりがちにですので、
わざわざつらい思いをして自分を偽るよりは、
聴いたふりだけして、腹の中では雑音程度に感じていても一向に構いません。
私を含め、多くの人はそんなに器用じゃないですから、
自分に素直に生きることを見失わないように、それを最優先にする必要があります。
いずれにせよ、人は自分の本心に素直になれば、破壊的な人間関係を望むことはなく、
自分のこころを冷静に見つめれば、建設的な人間関係を築けるような、そんなスタイルを望んでいるはずです。
試行錯誤をしているときは感情も不安定で、一時的な感情に流されて、ときとして他人に対し批判や攻撃といった人間関係を築いてしまいがちですが、
それこそ自分に嘘をついていますから、消耗的な人生になりがちです。
自分の本心から望む人付き合いのスタイルは、人それぞれ様々なタイプがあるにせよ、必ず「建設的な」ものであることは間違いのないようにしてください。
次に②についてですが、そうはいってもときとして、①を押し通そうとしすぎてトラブルになったり、結果的に自分が困ることがあります。
ですから、ある程度は割り切って、たとえば一時的に自分が我慢すれば済むことであれば相手に譲歩するようにしようとか、
そういう柔軟性がある、しなやかな付き合い方ができるように練習してみてください。
しなやかな付き合い方とは、今はやり?の「アサーション」とも言いますが、
なにも自分が我慢するだけがしなやかな付き合い方ではありません。
たとえば自己主張するときも、
「私はこう感じます」
と言い切って終わるのでなく、
「私はこう感じるんだけど、あなたはどう思う?」
などと丁寧に質問をする形で終わらせて、次の相手の発言をひきだす配慮をするようにし、
その結果が自分の意見とくい違っても、それはそれでかまわないし、もしお互いの意見を譲歩しあえて、
落としどころが見出せるのであれば、努力してみましょう、といった雰囲気を生み出す意識で対話をしてみるなど、
多少時間もかかりますしまわりくどくなりますが、そういった会話の流れを生み出すことができるようになれば、
結果的にトラブルをかなり減らせます。
しなやかな人付き合いのやり取りの仕方は、こころがけていくとだんだんとこなれてくるような、
「練習効果」があるものですので、今のうちからそういったやり取りの経験値をもっともっと上げておくほうが得策です。
まとめますと、
①の「自分のあり方」は大事にしてください。
周囲の意見はありますが、それによって自分に嘘をつくような人付き合い方しかできないようになると、
非常に消耗しますので、①は譲らないほうがいいです。
しかし、それにこだわるあまり、周囲から大きな反発があるなど、自分が困るような事態になったりするかもしれません。
つい「なんでわかってくれないんだ」、「そこまで言われたくない」といったような感情を持ちがちですが、
自分のスタイルを一時的に譲歩して相手に合わせるような柔軟なやり取りを、人付き合いの潤滑油として、ぜひ取り入れるようにしてください。
お店などでお客様のご要望に応えるような、サービス精神のようなものですが、
自分の基本的なスタイルまで捨て去ってしまっているわけではないですから、長期的に無理が出てくることもありません。
①本当に自分が望む人付き合いの仕方を試行錯誤し、素直な自分を周囲に見せていきながら、
②ときに周囲の理解が得られなかったりして自分が困る事態になったときは柔軟に譲歩して、
時間をかけて徐々に理解してもらえるようにしていくことで、
最終的には一番居心地の良い人付き合いの仕方ができるようになってきます。
私も人間関係については自分がうまく出せずに悩んだ方だと思いますが、
自分のスタイルがある程度確立されてきてからは、随分楽になりました。
ぜひこころがけていただければと思います。
長文読んでいただき、ありがとうございました!
回答日時:2010年3月20日(土) 01:45 JSTお礼のコメントを書く
・お礼はご本人のみ投稿可能です。
・回答を読みましたらご投稿下さい。
こちらのプロも相談受付中です。
悩み辞典は、安心して登録・相談できます。
※ 当サイトは、ご記入いただいた個人情報を、お問い合わせに対するご連絡以外の目的では使用いたしません。
※ ご記入いただいた個人情報は、当サイトで保有し、第三者に提供することはありません。
※ 当サイトの個人情報の取扱方針につきましては、プライバシーポリシーをご確認ください。
※ 財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)より個人情報の適切な取扱いを実施している企業であることを 認定する「プライバシーマーク」(Pマーク)を取得しています。
※ ベリサイン社のデジタル認証IDと暗号化(128bit)によって保護され、安全にお申込み頂けます。