背景にある思い込みを変え、「私」を主語にした文章で感情や考えの明確化を

野崎 るみ花

はじめまして、心理カウンセラーの野崎るみ花です。
ご相談いただき、ありがとうございます。

人に対して自分の考えを言うのが苦手で、上手く自己主張できないことからストレスを感じていらっしゃるとのこと、職場で自分の意見を求められることも多く、このままではいけない、周囲を不快にさせずに上手く自己主張できるようになりたい、と思ってらっしゃるのですね。

あなたは「周囲を不快にさせないように」と周りの方に気を遣われて、とても優しい方だと思いますが、同時に「こういうと嫌われてしまうのでは？」と思って、ご自分の意見を引っ込めてしまうことがよくあるのですね。恐らくその背景には「人は誰からも好かれなくてはならない、愛され受容されなければならない」や「自分のすることは誰からも認められなければならない」といった考え方が根底にあるのではないでしょうか。しかしこのように思いこんでしまうと、人に嫌われないように自分の意見や希望を言えなくなってきます。

そこで周囲も自分も大切にしたコミュニケーションスキル「アサーション」を提唱する平木典子さんによりますと、「人は好かれるにこしたことはないが、必ず好かれるとは限らない、まして好かれなければならないことはない」、「そもそもすべての人を喜ばせるのは不可能」、「とりあえず半分くらいの人、自分の好きな人に好きになってもらおう」というふうに考えていくとよいのでは、と言われております。

また周囲を不快にさせないように、という気持ちの背景には「人を傷つけてはいけない」という思い込みもあるのではないでしょうか。それに対しては「人を傷つけないにこしたことはないけれども、傷つけることもありうる」と覚悟し、もし傷つけてしまった場合はそのフォローに心を砕けばよいのではないでしょうか。

ご自分の考えがまとまらないとのことですが、これはなかなか自分の考えや気持ちが明確にならない、自分の気持ちを捉えられないことからくるのではないでしょうか。自分の気持ちや考えをつかむ方法として、「私は」と主語をつけて文章を作る練習があります。

例えば　「うるさいなあ。。」→「私はうるさいと感じている」
　　　　　「なんか違うんだよなあ。。」→「私は違った意見をもっている」
　　　　　「こうした方がいいのに。。」→「私はこうした方がよいと感じている」

などです。これができるようになると自分の気持ちや考えを素直に、相手に脅威を与えずに伝えることができるようになります。自分の気持ちや考えを大切にしながら、それを素直に、明確に伝えていくことができるようになるのです。

周囲の人の反応はとても気になるものですし、かといって自分の考えや意見を伝えられないことが多いとストレスもたまっていくかと思います。自分も周囲の人をも大切にしたコミュニケーションができるようになるとよいですね。

今回の回答は「図解　自分の気持ちをきちんと〈伝える〉技術　人間関係がラクになる自己カウンセリングのすすめ」　平木典子　2007　PHP研究所　を参考にしておりますので、よろしかったら一度ご参照下さい。

この回答が少しでもお役に立てれば幸いです。また何かありましたら、いつでもご相談下さい。

回答日時：2010年6月14日(月) 21:09 JSTお礼のコメントを書く

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