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回答プロ:公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談者:40代/女性
はじめまして。助けてください。中学3年、男、 の息子について相談します。5月の修学旅行終了後から生活が派手になり、ある日、急に「今日は泊めてもらうかもしれない」と勝手に出て行きました。もちろん家は外泊禁止です。その後、2回にわたり土日は勝手に出て行き、朝から夜まで帰ってきません。月曜の朝帰ってきて、遅刻して登校するように。反抗期であまり口も利かず、主人も「ほっとけ」といいます。息子も担任の先生に「お父さんが嫌だ」と言っているようです。私も彼と話しません。前はご飯のたびに声はかけましたが、今はいらない、と言い、食べません。お部屋に入るとコンビニの弁当など食べているようです。また、おこずかいは旅行ののこりしかないはずなのに、1万円以上入っていました。本人に聞くと、「友達から借りた」と言います。私たちの財布からも1万円以上減っています。どうすればいいでしょうか。
40代/女性 | 日付:2009年7月 4日(土) 16:00 JST | 閲覧件数: 3,491
公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご連絡ありがとうございます!
相談内容、読ませていただきました。
問題行動が増えてきている息子さんに対して、どうしたらいいのかという話ですが、
お話の内容を拝見するかぎりでは、やはりすこしは向き合って話し合う必要があると思います。
ただ、あまり口を利かない状態だということですから、向き合うといってもエネルギーがいると思います。
理想論で言えば、親なんですから、子供にははっきりと、理由を含めて伝えることは伝え、
ゆずれない部分は絶対にゆずれないんだという一貫した姿勢を持つといった、確固たる監督能力を持つ必要があるかもしれませんが、
なかなかそのレベルまで実現できている保護者の方もすくないと思いますので、
やれることから徐々にこころがけていくようになさるのがよろしいかと思います。
ひとりで抱え込むと大変ですから、
担任の先生、近所の方で誰か頼れる方などと一緒に巻き込んで対処されることが望ましいのですが、
ここではそれについて詳しくお話するよりは、お母様ご自身に関わることについて書きたいと思います。
まずはご自身が息子さんの何に困っているのか、その理由を考えてみてください。
息子さんにはこうあってほしいのに、そのとおりになってくれないことに対する葛藤から来ていると思うのですが、
まずはそれが「どの程度」のものなのかを確認していただきたいと思います。
息子さんを何から何まで管理したいと思っているほど、執着しているわけではないと思います。
「最低このくらいであってくれれば」という部分があって、そこさえも満たされていないから心配したり困るわけであって、
ではどの程度、こうあってほしいと思っているかを具体的に明確にしてみるといいと思います。
たとえば「学校には遅刻せず通ってほしい」とか、「食事は一緒に食べてほしい」とか、
そういうところかもしれません。まずはそれを挙げてみてください。
たくさん出てきてもかまいません。すべて挙げてみるといいと思います。
次に、挙げたもののうち特に優先順位が高いものひとつかふたつについて、「なぜそう思うのか」を明確にしてほしいと思います。
先ほどの例で言えば、なぜ学校に遅刻せずに通ってほしいのか、なぜ食事を一緒に食べたいのか、
ご自身の本心でかまわないので、明確にしておくことが大切です。
その際もし自分の余計な執着で、過剰に息子さんを思い通りにしようとしすぎていたとか、そういう至らないところが
見えてくる場合もあるかもしれませんが、それらを執着と自覚して、手放すようにしていくと、
心の底から、この気持ちだけは伝わってほしいと思う部分が残されます。
次に、仮にその気持ちを息子さんに伝えたとして、息子さんはどう答えるかを想像してほしいと思います。
息子さんは息子さんなりの主張を持っているので、
たとえば「学校なんてあまり意味がない」とか、「遅刻しても学校に行くだけマシじゃないか」といった、
期待はずれの反応かもしれませんが、
それに対して反論処理をすることが目的でなく、「傾聴」するために、いわばリハーサルの意味で想像してみてください。
話し合いの場面というのは、本来は聴くことが大切です。
しかし相手が自分の子供の場合、幼稚な理屈で、親からしたらくだらないと感じる反論をされることが多く、
はじめにこころがまえをしておかないと、つい大人の目線ですぐ反論しかえしてしまいがちです。
まずは期待はずれの反応であっても冷静に聴くことができるように、どんな答え方をされるかを想定してみてほしいと思います。
そこまでした上で話し合いの場面を持てば、場当たり的に会話のやり取りをするよりも、より良い話し合いになることでしょう。
あとは実際に向き合うだけです。まずはこちらから意図を持って投げかけまずが、
それは息子さんの話を聴くためのきっかけ作りの意味であって、
あとはできるだけ聴くことをこころがけて、それ以上の自分の主張をすることは避けてください。
なかなか話しかけてもまともに聴いてくれない感じのご様子ですから、
最初の話しかけ方など苦慮されると思いますし、勇気がいることと思います。
もしかしてほっといてもうまくいくかもしれませんし、避けてとおりたい気持ちも働くことでしょう。
さらに、好きなことをやりたい年齢ですから、結局は話したところで変わらないかもしれません。
一時的に険悪な感じになるかもしれません。
ただ、相手の気持ちを聴いて、自分の気持ちを伝えておくことを増やしておけば、長期的には活きてきます。
先に述べたように、ひとりで抱え込むと大変ですから、周囲を巻き込む必要がありますが、
その話の前になぜこの話をしたかと言いますと、
周囲の巻き込み方が、「息子の気持ちはともかく、集団の力で自分の思い通りにする」という目的のもとになされるような
感じであったら、今度は息子さんが孤立無援状態になりかねないので、
まずはお母様が、息子さんの話をしっかり聴くという姿勢ができた上で、
お母様の負担がすくなくなるように、その姿勢の下に周囲を巻き込んでほしいと思ったからです。
まずは自分が聴く姿勢を持ち合わせた上で、周囲を巻き込みながら向き合ってほしいと思います。
増田 督(ますだ すすむ)
回答日時:2009年7月 5日(日) 14:22 JSTお礼のコメントを書く
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