猪木さんにとって母親とはどんな存在でしたか?
わたしは母親に虐待されて育てられてきたため、恨みしかありません。
感謝の気持ちなどとうてい持つことはできません。
よくテレビで、自分の子供が生まれると、 母親の気持ちがわかって和解するという番組をやっていましたが、わたしは子供ができたとき、 こんなにかわいい我が子に何であんなにひどいことができるのかと余計に憎しみがわきました。
子供の頃は熱湯をかけられたり鉄パイプで殴られたりひどい目に遭いました。
友達が家に来るとおねしょやテストの点数などを言いふらし、いじめの原因も母親でした。
今では立場が逆転して、何もしませんが、近所中にわたしや嫁、孫の悪口を言いふらしています。
肉親のわたしが憎んでいるのですから、他人の嫁とは絶対にうまくいきません。
今ではかかわるのもやなので無視し続けています。
この5年ぐらい、一言も口をきいていません。
これからも母親を許すつもりはありませんし、母親が死ぬまで無視し続けていくとは思いますが、
世間一般から見ればおかしいであろうわたしに、アドバイスをお願いします。
「俺にとって母親は、過酷な環境でも腐ることなく、気丈に俺たちを育ててくれた尊敬できる
人間ですね。
俺達一家は、俺が中学の頃ブラジルへ移民するわけだけど、母親はもともと良家の出で
プライドは人一倍に高く、なんでこんな辛い思いをしなければと思っていたはずです。
それでも、11人兄弟をよく育ててくれたものだなあと。
俺も一応、親という立場でもあるのですが、職業柄まともに子供と接した時間というのは
ほとんどありません。それでも、俺の生き方を、俺の背中を見て育ってくれればということで
育ててきました。
恐らく世間一般では理解されないようなことも、親子の中にはあるのかと思います。
あなたが、母親を憎む気持も、許さないという気持ちも今は持っているかもしれませんが、
ただ、あなた自身の人生で誰かを憎みながら生きる事は空しいよな。
俺もいろんな人に騙されてきましたし、つらい思いをしてきましたが、それでも相手を許すことで、
人間の質というのか、気位を高められた気がします。
あなたも、心を張り詰めずに少し緩めて、相手を許すことであなたの人生も
やっと母親から解き放たれるのではないでしょうか。」