脳卒中になったら、リハビリはどのように進んでいくの?①

  • 2010年5月28日(金) 12:44 JST
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「家族が脳卒中になった!」
「大切な知人が脳卒中になった!」

そんなときに皆さまは病院でのリハビリテーションがどのように進んで行くのかご存知ですか?

 病気してからの時期・症状の重さによって変わっていくその流れを大まかにでも知っておくことは、皆さまの不安・悩みをわずかにでも軽減できるはずです。
これから何回かに分けてその流れや現状の制度における問題点などのお話が出来ればと思います。


まずは「急性期病院」へ


急性期病院とは救急車が出入りする、いわゆる「命を救う」ところです。全医療スタッフが、まず生命維持に神経を集中します。と、同時にリハビリテーションスタッフは患者さまの入院中のADL、さらには今後の機能回復・QOLの向上までを視野に入れアプローチを開始します。

 ADLとは?
  ⇒Activities of Daily Living(=日常生活動作)
   日常生活を行なう上で欠かせない動作・活動のこと
 QOLとは?
  ⇒Quality of Life(=生活・人生の質)
   人間らしい個人の尊厳を保ち、社会生活を送っているかの尺度


 今の医療経済の影響で、急性期を担う地域の中核病院はDPC(診断群分類包括評価制度:簡単にいうと病気の種類で保険料が決まるいわゆる「まるめ払い」)の導入に伴い、平均在院日数の大幅な圧縮を迫られています。
 そのため急性期病院に入院中の短い期間に、軽度の症状で直接自宅に退院することになる方と、継続的なリハビリを行うためにリハビリテーション病院へ転院される方のおおむね2つの方向に分けられます。


 ここで問題なのは、脳卒中特有の障害像がこの短い入院期間に発見されず、退院後の日常生活・社会生活に支障をきたすことです。さらに退院後のアフターフォローは病院によってかなりの温度差があり、リハビリ部門も外来リハを縮小または行なっていないことが多いのが実情です。(経営的なメリットがないため)そのため障害に対してやそのサポートに関する情報を得られない方々が現実にいることが問題になっています。


私自身の活動もこういった方々への情報提供の一助になることを目指すものです。

次回は「リハビリテーション病院」について書きたいと思います。

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