●なぜ結論を急ぐのを止めるようになったのか
30才で再建社長になる前の人生は 行き当たりばったりで全てを決めていた。 実際に再建社長の仕事を始めてみると 決断のスピードを求められる事ばかりだった。 物事を深く考えもせず 表面的な事にとらわれて失敗を繰り返していた。 この会社で今何が起こっているのか 社員の人はどういう希望を持っているのか 結果を早く欲しいくせに社員の考えを聞きだすなんて事は全く素通りしていた。 10年目に再建会社を消滅させた時後ろを振り返ると 私に付いてくる社員はただの一人もいなかった。 ○自分の思い込みだけで描いた目標は 絵空事だと気がついたから なぜ命懸けで再建を果たそうと思っているのにわかってくれないんだ。 わたしは心でで叫んでいた。 しかし本当にそう叫びたかったのは社員の方だった。 倒産した会社であってもこれからの再建に協力したいのになぜ私達の声を聞かないんだ。 そんな社員の声はまるで聞こえていなかった。 いや聞こうともしなかった。 とにかく結果を出さなければいけない。 悠長なことをしている時間は無いと思っていた。 そんな空回りの10年が過ぎて再建会社を消滅させる事態になってようやく気がついた。 一緒に行動して欲しい人たちの思いがわからなくて 自分にばかり都合の良い結果など何も出る筈がない。 どうしても自分の目標が達成したいのならば 自分がどう思うかよりも周りが本気になるようなことに心をくだくべきだと・・・</p>