●なぜ再建に失敗しながら 自分の生きる道を見つける事ができたのか
- 2010年7月28日(水) 20:02 JST
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- 投稿者:
- 今瀬 ヤスオ
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●なぜ再建に失敗しながら
自分の生きる道を見つける事ができたのか
それは今考えても
不思議な心境だった。
もう投げ出すものなど
何もないくせに
全てを投げ出しても
今までとは別の生き方を
しなければと想っていた。
倒産した父の会社の再建に
10年を費やしたが
結局何もかも売り尽くして
丸裸でそれは終わった。
見栄も体裁も面子もプライドも
家も車も僅かばかりの蓄えも
とにかく見事なほど
何もかも無くしていた。
しかし気分は逆に
不思議なほど落ち着いていた。
「奈落の底」というが
本当の奈落の底に落ちると
不安な気持は
まるで起きなかった。
さざなみ一つない
静かな水面を見ているように
冷静な気分になれた。
◎人生をやり直す覚悟をして
冷静にその時期を待つことが出来たから
再建社長時代の10年は
我慢の日々だった。
いま振り返ると
我慢しかないのなら
早々と手仕舞いを
するべきだった。
苦しい。
逃げる。もっと苦しくなる。
誰かのせいにする。
自分が苦しくなる。
なぜこんな人生に巻き込んだと
親父を恨む。
一時的には溜飲が下がるが
魂まで抜かれたように
生きるエネルギーを消耗する。
もうこんなゴチャゴチャした
生き方はしたくない・・・
自分で何もかも決めて
その結果も自分で全部引き受けて
そんなスッキリした
生き方がしたい・・・
そこでようやく
いままでの生き方を止める
もう一度出発点に引返すという
決断が出来た。
40才での決断が
遅かろうと早かろうと
結果がどう出ようと
それも含めて能力なんだから
自分の力さえ出し切れれば
それでいいと思った。
いま考えると
何かを止めると言う決断をするときは
気持が落ち込んでいたり
弱気になっていたり
自分が追い込まれているときは
やらない方がいい。
止めるという「覚悟」は
しておいてもいい。
しかし覚悟さえすれば
気分も落ち着いてきて
段々には事態も沈静化してくる。
そのとき未だ止めるという覚悟が
ぐらついていなければ
その時に初めて止めるという
タイミングを探ればいい。
止めるという選択肢は
あってもいい。
しかし感情的に
そんな事を決めたら
間違いなく
後悔する結果になる。
進むも退くも
自分が冷静に見極めてから
勇気を出して
思い切って実行すればいい・・・