創作話 こだわりと妥協の間で
- 2010年9月25日(土) 17:09 JST
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- 投稿者:
- 川崎 信明
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心理トレーナーの川崎です。
久しぶりのコラムも作り話です。
こだわりがあっても妥協し、いつの間にか当初の目的から
簡単にすり替わるという例えばなしです。
翌日に長期出張を控え日本を離れることになった人が
日本を発つ前に、<思い出のイチゴのショートケーキ>を
食べておきたいと思っているとします。
そのケーキは、そこら辺に売っているものじゃなくて
お気に入りのお店でしか作っていなく
彼は、このケーキを食べたいが為に断食までした。
それくらい楽しみにしていたイチゴのショートケーキを
本当は、すぐに買いに行きたいのを我慢して、
明日の準備や片づけを先に終わらせ、
ようやくお店に行くことになる。
ところが、お店に行くと臨時休日の張り紙が・・・。
しかも一週間・・・。
最初に書いたが、彼には残された時間が全くない・・・。
出張から戻ってくるまで我慢することも考えられるが、
彼は、そこまで耐えることができなかった。
そこで妥協し、その他のお店で買うかどうかを選択する。
それでもこだわりを安易に捨てることは躊躇し、
自分の望むべきケーキを食べるんだと思いながらも
空腹に耐えられなくなり、他のお店に行くことにした。
この時点で彼の頭には、
お気に入りのお店のイチゴのショートケーキから
どこでも良いけどイチゴのショートケーキに変化をした。
ところが、
その後何件か回るが、イチゴのケーキは、どのお店も売り切れで
モンブランとかチーズケーキしか残っていなかった。
ここでまた彼は葛藤し選択に迫られる。
「イチゴが食べたいのに栗やチーズで良いのか??」
こんなことを考えながら時間が過ぎ
とうとう
どこの店でもケーキを買うことができなくなった。
彼は空腹で仕方がない。
彼の中では次第にケーキを食べたいという思いから
空腹を満たしたいという願いに変化してしまったのだ。
そんな時バックを開けると、中にビスケットが入っていた。
そして、あまりに腹が減っていたので、
思わず手に取り、そのビスケットを食べてしまった。
食べた後
お腹は満たされたのに、なぜか虚しい気持ちになってしまった。
(まとめ)
こだわり続けると満たされることができない。
そして、満たされない気持ちがあると、こだわりを忘れる。
もちろん求めている本質は大切なんだけど
適齢期を過ぎた恋愛とか卒業迫った学生の就職、
失業後の求職活動。
人が焦りを覚えたときには、気持ちが揺れ動いてしまう。
だからこそ目的と本質を見失わず
満たされない気持ちに対して、後悔しないよう、
自分の中で対話をしながら選択してみてもいいのではないでしょうか?