1-5 早苗の部屋

大塚にある早苗の自宅マンションはそれほど離れていなかった。

一同はマンションに到着し、父親の敬介は合鍵でオートロック、そしてエレーターで上がり、701の部屋のドア

を開けた。入り口にあるスイッチを入れると薄暗いワンルームの部屋全体がパッと明るくなった。カーテンは閉

まっている。

「念のためですが部屋のものに直接、手をふれないようにしましょうか」と伊勢は手袋をつけながら皆を見渡し

た。早苗の両親も親友の優子も探偵のキエも手袋を用意していなかったから、部屋の様子を見るだけにした。

警察の言うように部屋は整理整頓されていて荒らされた様子もなく、特に不審さはないように思われた。

伊勢は、じっとしていたかと思うと動き出し動き出したかと思うとじっとしていたが、しばらくすると、

「ちょっとお聞きしますが、早苗さんはきれい好きのように思えますがいかがでしょう?」と言い出した。

「そうです。きれい好きで、ちょつと神経質なところがあります」

「ちょつとこれを見ていただきたいのですが、、、」

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