1-15 不審さ
- 2011年3月20日(日) 19:27 JST
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- 投稿者:
- 尾崎 宗一郎
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地井早苗の両親、親友の優子と別れ、事務所に戻った伊勢はスタッフを集めた。
「これはいやな匂いがするなぁ」
「私もなんとなくそう思います」とキエは大きくうなずいた。
「早苗さんの携帯電話が普通になっていることがまず第一だ」
「部屋のほう警察は、不審さはないと言っていたということでしたよね」
「いや、事件性がないと思っているからだろう。確かに整理整頓されてはいるからね」
「警察は現実的に何かが起きないと動かないんだわ」
「でもいったいどこにいるというのでしょうか早苗さん?もし誘拐ならば、誰かからのアクショ
ンがあってもいいでしょうに。それともシンガポールで、まさかどこかの国が日本人を
誘拐?」
「とにかく私は急いでシンガポールへ飛ぶことにする。もしかするとこの件は少しやっかい
になるかもしれないから宇多田さんに協力してもらうことにした。私が東京に帰ってきたら
、会うことにしてある。監視カメラの録画をチェックしておかなければならないし、部屋の埃
のほうも明日から開始することにしよう。その調査はオカ。キエはソウル公演とその前後の
可能なかぎりオカに協力しすること。それから他のみんなはバックアップしてくれ」
「わかりました」皆は頬を染めて言った。
「それで伊勢さん、、、私ちょっと気になることがあるんです」とキエは言い出した。