虐待に関する不安を抱える親が増加中
- 2012年6月 1日(金) 09:00 JST
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- 投稿者:
- 相楽 まりこ
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近年、虐待という言葉を頻繁に耳にするようになりました。
虐待とは、
1)暴力で子どもの体を傷つける「身体的虐待」
2)暴言で心を傷つけたりDVの現場を目撃したりする「精神的(情緒的)虐待」
3)子どもにわいせつな行為を強要する「性的虐待」
4)長時間の放置や食事を与えないなどの「ネグレクト」
以上の4つが主です。
今まで、虐待の略語には「abuse」という単語が使われてきました。
これは、「濫用、誤用、ののしる、粗末に扱う」という意味を表し、養育者側の行為を指す印象が強い単語です。
それに対し、最近では、養育者の意図に関わらず、結果的に子どもにとって不適切な影響を与えた行為全般を指す「child maltreatment」すなわち「不適切な養育」という単語が使われる頻度が高まってきています。
養育者の主観ではなく、子どもの立場から見て養育が適切か適切じゃないかに焦点を当てる事は確かに重要です。
ただ、幼い子どもにそれを確認してもうまく言葉にできません。
結局、養育が適切かどうかは周囲で客観的に見ている大人たちの判断に委ねられるということになります。
このように、近年の虐待の認知度の高まりやその判断の難しさは、多くの親に「虐待に関する不安」という新たな育児不安を生み出しているという研究結果が存在します。
「もしかしたら今の行為は不適切な養育に当てはまるのではないか?」
「私は子どもに虐待をしていないだろうか?」
「子育てに自信がなく、いつ虐待してもおかしくない状態だと感じる。」
そういった不安を持つ親が増えているというのです。
私は、このような虐待に関する育児不安を抱えている親御さんは、子どもの事をすごく真剣に考えている方だと感じます。
自分の養育について真面目に悩むというのは、良い親であるからこそだと思います。
ですから、育児不安が解消されれば、虐待に当てはまる様な行為には至らないで済む方がとても多いのではないでしょうか。
様々な調査によると、育児不安を解消するために必要なもののうちの一つに、ソーシャルサポートネットワークの存在が挙げられます。
行政が行っている子育て支援、近所の子育てサロン、ママサークルなど、親同士、特にママ同士のネットワークは着実に増えつつあります。
私もママサークルを立ち上げて活動を行っていますが、お茶をしながら話をするだけでもママたちの不安やストレスが解消されていくのを感じます。
特に、ネット上だけでなく、実際に会ってコミュニケーションが取れる事がより重要だと思います。
今、虐待に関する育児不安を抱えている親御さんは、思いきって近所のソーシャルサポートネットワークを色々と訪ねてみてください。
自分に合ったネットワークが見つかれば、不安は解消され、今より楽な気持ちで子どもと向き合えるようになると思います。
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