慰謝料に相場はなく、専門家に相談し請求されるようおすすめします

松下 豊太郎

ご相談ありがとうございます。
ご相談文を法的視点で整理すると、次のようになります。

(1)事実確認と現状分析
ⅰ配偶者の不貞行為の相手に対して慰謝料請求できる４大要件は満たしており、相談者さんに請求権が生じている。
1配偶者に異性との肉体関係がある
2相手が既婚者と認識していた
3夫婦関係が破綻していない
4消滅時効にかかっていない
ⅱ既に当事者間で「不倫関係解消」に関する話合いをされていますが、その折の条件等はどうなっているか、関係解消や謝罪等について確認書面を作成されましたでしょうか。
ⅲ相手の年収・月収などの状況は把握されてますか

(2)慰謝料の相場について
ⅰ不倫の慰謝料の相場は請求する側、請求される側双方が知りたいと思うのは当然だと思います。しかし、不倫のような男女のトラブルには慰謝料の相場はないとお考え下さい。
ⅱその理由は次のようなことです。不倫の慰謝料を請求し受取った方はその額を第三者に言いません。同様に支払った方も第三者に言いません。したがって、相場として算出できる根拠あるデータ収集ができないのが実態です。
ⅲ一般的に、婚姻年数が長い、不倫の事実が原因で離婚になった、子供ができた、このような場合は高額になる等と言われています。当事務所でも、依頼者に絶対聞かれるのは「いくら請求すれば良いですか？」です。
ⅳ極端な話、1億円を請求しても良いのですが、支払可能でければ意味がありません。そこで相手が支払い可能だろうと考えられる金額を請求するのも一つの方法です。
ⅴ結果として、実際の不倫の慰謝料請求額は、相手の支払能力を考慮して、５０万円～３００万円の範囲に落ち着くことになります。

(3)対応方法について
ⅰ口頭で請求でもかまいませんが、文書で請求されるのが望ましいです。また、請求時に強要や脅しがあったとして相手に反撃のスキを与えないようにご注意下さい。
ⅱ金額の合意・金銭授受ができれば、その結果を書面に作成されるようおすすめします。書面の作成方法も、相談者さんと相手の２者間、相談者さん、相談者さんの夫、相手の３者間で作成する方法もあります。また、取り決めた内容に違反する事態が生じた場合のペナルティも盛り込んでおかれるようおすすめします。

(4)具体的な手続について
ⅰ慰謝料請求額のシュミレーションや、請求書面、合意書面についても、当事務所でも可能ですが、個人情報を含むデータが必要であり、公開の「悩み辞典の相談」の限界であることをご理解下さい。
ⅱいずれにせよ、トラブルなく慰謝料請求するためには、有料となっても、男女関係トラブルに詳しい専門家に相談、書面作成等を依頼するなどの方法をご検討されますようおすすめします。

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回答日時：2009年10月12日(月) 18:22 JST

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