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回答プロ:公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談者:40代/女性
ずっと誰かに相談したかったのですが、はじめて相談します。
事情を正しく説明するには、かなり内容が長くなりそうですが、どうかよろしくお願いします。
うちは大学1年の娘と高校1年の息子、母親である私の3人家族です。娘が小学校へ入学するとき、息子がまだ3歳の時に離婚しました。
その息子の態度が悪く、本当にどうしたらよいのかわからず、相談させていただくことにしました。
息子の困った態度とは・・・
・息子が自分勝手な行動をするくせに、注意しても全く聞き入れない。しつこく言うとイライラして、私に対して「死ね!」「黙れ!」「うざい!」「消えろ!」などなど数々の暴言を吐く
・注意するとカーッとなってキレて物にあたる(壁やドアを蹴って穴をあけてしまう、ガラス戸を割ってしまう)
・姉とけんかしてもエスカレートすると姉を何度も蹴っとばしたりたたいたりする
・たばこを公園で吸うなど、反社会的行動をとる
・朝、自分から全く起きようとする意志がない。平気で遅刻する。毎朝私が必死に起こしているのに、起こせば「うっとおしい!」「うるさい!」「関係ねえ!」などという
・毎日遊び歩いて帰宅が遅い
・勉強は全くしない
まだまだ数えきれないほど許せない態度をとるのです。キレると暴力になるので、なるべくキレさせないように気を使っています。姉は、「もう嫌だ!!」と家を出て一人暮らしをしたいと言い出す始末。私もその気持ちはよくわかるし、母親である私が言うことを聞かせられないので、娘には申し訳ない気持ちになります。
私を親と思う態度は全くなく、悪いことを注意しても聞き入れないので、家族崩壊の状態です。
母子家庭であっても、子供たちに寂しい思いをさせたくなくて、私はいろいろ頑張ってきたつもりでした。
子供たちも、普通に学校や部活を楽しんで過ごしてきました。息子が受験期をむかえるまでは・・・
息子は運動が好きで、小・中では運動部に入部し、頑張って部活動続けていました。塾にも通い、何とか平均くらいの成績を保っていたのですが、中学3年になり、部活動を引退したころから、少しずつ態度が悪くなりつつありました。その時は、「まあ、反抗期だから、少しぐらいは仕方ないか・・」と思っていたのですが、受験がいよいよ本格的になるころから反抗的な態度がひどくなりました。
カーッとなって「うざい!うっとしい!」と暴言をはき、ふすまをなぐって穴をあけたり、朝言い合いになり、学校へ行かなかったり・・。
今年4月、息子は希望していた公立高校の受験に失敗し、私立高校に入学しました。第一希望ではなくても、2校合格した私立高校のうち、自分で希望して今の高校に入学しました。
特進のコースでの入学だったので、クラスは3年間同じメンバーで過ごす、有名大学を目指すクラスでした。入学してから驚いたことは、クラスの人数がたったの10人であったことです。しかもうちの息子以外はみんなまじめそうな子ばかりで、一目でうちの息子には合わないクラスだわかりました。
それでも楽しみにしていた高校生活でしたので、学校へ通学し、テニス部にも入部して、土日も部活動に頑張っていました。勉強はしませんでしたが、それでも部活に学校にと頑張っていました。
しかし、5月の休みに娘と私が二人で1泊旅行に行った時のこと、息子は部活があるし、旅行へは行かずに家で留守番をしているというので、二人で行ったのですが、帰った日の翌日、マンションの管理人さんから、息子が我が家へ友達を連れ込み、みんなで泊まってたばこをベランダで吸い、しかもベランダから火のついたたばこを投げたという現場を何人もの人が見ていて通報があったと聞きました。その時にはじめてたばこのことを知り、すごくショックを受けました。話をよく聞いてみたら、部活はさぼってみんなでたばこやお酒をやっていたことを白状しました。しかも、たばこは中学3年のころからずっと吸っていたと知りました。
確かに息子が入り浸っている家があり、中学のころも高校へ入ってからも、彼の家に入り浸っては帰宅も毎日遅く、9時10時はあたりまえのようでした。たばこ事件が発覚してから息子は部活動へは行かなくなり、とうとうやめてしまいました。何とかまた部活に頑張るように励ましてみたのですが、一度さぼってしまってからは行きにくくなり、そしてもともと部活での居場所が見つからずにいたことがわかり、やめてしまいました。
それからというもの、毎日遊びに夢中で、今までいろいろな悪いことをしてきました。
人の自転車を勝手に乗り回し、警察に補導され、事情聴取されたこともありました。たばこを公園で吸っているところをまた警察に指導を受けたり。
友達の家に泊まると言っては外泊を繰り返したり・・・
受験のころまでは、特に何も問題がなかっただけに、息子が豹変したことに戸惑い、対処しきれずにいます。
小学校のころ、飼っていた金魚が死んで、埋めに行ったときには、泣きながら埋めてやっていたやさしい子だったのに・・
この1年で豹変した息子。はっきりとした原因はつかめずにいます。
父親がいなかったことは寂しかったのだと思いますが、それでもやさしい子に育ってくれた思っていたのですが・・
なるべく息子の気持ちに寄り添うように、家が居場所であるように、居心地良くするよう頑張ってきましたが、私の苦労が報われることはありません。結局は甘えていると思うのですが、それを息子自身が自覚していないのですからどうしようもありません。
文章では書ききれない、もっといろいろなことがあるのですが、この先、自分の将来をどうしたいのか、自分からは何も考えず、行動せず、自分勝手に好き放題遊んで過ごしている息子を、どうしたらいいのか。
私の話を聞く耳持たない息子に、何をどうしたらよいのか。息子がキレないようにビクビクして暮らしていくなんてもう耐えられません。
なんだか支離滅裂になってきてしまいました。
私は、私たち家族はどうしていけばよいのでしょうか。
40代/女性 | 日付:2009年11月11日(水) 01:07 JST | 閲覧件数: 7,436
公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明
ご相談、ありがとうございます!
内容、読ませていただきました。
以前のご依頼主様への回答と重複する部分もあるのですが、
大切なところですので、一部繰り返し載せさせていただきたいと思います。
大きくわけて、
「問題の現状把握と、その対策の考え方」と、
「聴く耳を持っていない人とのコミュニケーションの取り方」
について書かれているとお考えください。
以下の質問について、考えをまとめていただきたいと思うのですが、
①ご子息が今現在のような生活をすることで、お2人が「困っている、あるいは怖れていること」はどんなことでしょうか?
まずは大前提として、
ご子息を「どうするか?」という考えでなく、
自分たち(お母様とご息女)が「どうあるか?」という視点で考えていただきたいと思います。
ついどうしても「息子を変えよう」と思いがちですが、
それよりは自分たちが変わるほうが楽ですし、現実的です。
文面では反抗的な態度や、素行不良、暴力に困っていたり、将来問題行動が助長しないかどうかを怖れていたりすることが挙げられますが、
自分の本心の部分ですので、何で困っているのかを明確にしてみてください。
②次に、その困っていることの中で、取捨選択をします。
よくよく考えれば自分の「執着」と感じる部分があったり、
過度に求めすぎていたと感じるようなことがあるかもしれません。
冷静に考えたら許容範囲であるものに関しては、手放すようにしてください。
ときとして自分の執着や固定観念で、自分で勝手に自らを困らせてしまっていることが
あったりもしますので、それらをそぎおとします。
③そうすると、ここだけは「せめてこうなってほしい」、という優先順位の高いものが最後に残るかと思います。
その点については、熟慮した上でやっぱり求めたい部分であるわけですから、
基本的にははっきりと伝えていく方向で考えた方がいいと思います。
④今現在、ご子息はどうしたいと思っているでしょうか?
これは推測でかまいませんので、考えてみてください。
好きなようにやりたいと思っているように見えても、実はその背後には別の気持ちがあるかもしれませんし、
表面的な部分と、深い部分とでわけて想像してみてもかましません。
⑤ご子息の家族に対する心境はどのようなものでしょうか?
お母様に対して、どのように見ているか、これも推測してみてください。
文面からは、お母様は本当に育児に熱心な方で、大変な努力をされていると拝察されますが、
それを肝心の本人がどのように感じているのか、やや客観的な視点で考えていただければと思います。
現在ご子息とお母様との関係が、新たな段階に差し掛かっているところだと思います。
ご子息なりに自立心があるのでしょうが、その方向性が間違っていますので当然お母様としてはほっておけないと思います。
そのときどのようにアプローチするか、より良い方法を見定める意味で、⑤は考えていただきたいと思います。
現在ご子息は聴く耳を持っていない状態ですが、その原因は⑤にあるわけです。
そしてその上で、なんとかしてコミュニケーションを取る必要があるわけです。
「聴く耳を持っていない状態の人と、どうコミュニケーションを取るか?」については、
まず、コミュニケーションを取れていない状態である事実それ自体を、お互いに確認するところから始めると良いと思います。
「せっかくの家族なのに、話し合うことさえもできないことは悲しいし、その状態を改善したいと思っているんだけど、どう思う?」
という質問で終わらせる感じで、率直に伝えるところからスタートすると良いと思います。
そしてそれに対する反応がありますので、そのときは「あぁ、そう思っているんだね」と
受け入れるだけにして、
それに対してどう答えるかは、また後日にします。
いつもどおりの暴言めいた発言が返ってくるのであれば、
「そうなんだ、そう思っているんだね」という感じでその場は終わらせます。
次に、「あなたも大人だし、いちいち口を出すことは減って来ると思うけど、
これだけは伝えたいと思うことについては、やっぱり家族なんだし伝えていきたいと思っている。それについてはどう思う?」
という感じで聴いてみるといった感じで、徐々に気持ちを引き出してみる方法がいいと思います。
さらに、「相手に暴言や暴力でまくしたてて思うようにしようという気持ちは、人としてもとても悲しいことだと思うけれど、どう思う?」や、
「家族同士が傷つけあう必要なんて、本来ないわけだから、普通に話すことはできない?」
「息子を腫れ物にさわるような接し方をしなければいけない現状が、本当に良い関係だとは思えないんだけど、もっと落ち着いて話し合わない?」
「わざわざ私を威圧しなくても、話は伝わるから、そうしてくれない?」
といった誠実な内容の提案や質問を、日をあらためながら伝えていくようにしてください。
あまり良い反応を期待してしまうとがっかりするので、相手の結果より自分が丁寧な姿勢で伝え、反応を受け入れることに集中してほしいと思います。
時間をあけて繰り返し同じことを言ってみることも大切です。
後になにかのきっかけで、それらの言葉が腹に染みるようになるかもしれませんし、
そうしているうちに、コミュニケーションがすこしずつでも取れるようになったり、ご子息の心情がよりわかるようになるかもしれません。
コミュニケーションが円滑になっていない原因が見えてきたら、
最後にはそれらを清算できるように、お互いが向き合っていく必要が出てきます。
最後になりましたが、
お母様は本当に努力されておりますし、こんなにしているのになぜ?といった心境が少なからずあると思います。
そしてご子息も自分なりに、自分のベストを尽くそうと思ってがんばっていた時期がきっとあるはずです。
それでもできなかった結果の現在におかれては大変な自己嫌悪があるでしょうし、親子がともにその状態だと感じられます。
今の時点で大切なのは、これからずっとお互いが傷つきあうような状態にならないよう、お互いの関係を新たにしていくことだと思いますので、
上記に述べたことを噛み砕いていただいて、まずは受容的なこころがけを大切にしていただきたいと思います。
回答日時:2009年11月17日(火) 02:44 JST
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ご相談のお礼のコメントがドシドシ届いています。
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増田先生、私の相談に対して、本当に丁寧にお答えいただきましてありがとうございました。お礼をお伝えするのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
相談をさせていただいてから、新たに事件が起こり、PCを開くことさえしていない状況でした。
事件というのは、息子がその後恐喝事件にかかわり、警察に補導され(逮捕まではされませんでしたが)、今現在は、再度の呼び出しをまっているところです。
状況は悪い方向へと進んでいっていますが、息子の乱暴な言葉に傷つき、粗暴な態度に腹を立て、気を使いながら生活する毎日を、少しでも変えていけるように、先生からのアドバイスを一つ一つ心に受け止め、考え、実行し、私自身が変われるところを見つけていこうと考えています。
八方ふさがりだった毎日が、アドバイスをいただいたことで、気持ちも少し軽くなり、まだ頑張れるかな、と思うことができました。
本当にありがとうございました。頑張ってみて、また苦しくなったら相談させていただくかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
| 40代/女性 | コメント投稿日:2009-12-04 |