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回答プロ: 谷口 晋一
ご相談者:40代/女性
私は40歳の専業主婦です。主人と長男一人(中学1年生 )の家族構成です。
子供がADHDの多動がないADDと診断され、毎日いろんなサポートをしなくてはならず、宿題から学校の準備など、毎日イライラします。何でこんなことができないんだろうと一度思ってしまうと、こんな子どもがこれから先生きていて何かいいことがあるんだろうか、どうせ勉強もできないし、この分じゃ大学にも行けない。就職だって怪しいし、社会に出てまともに生活していけるとは思えなくて、何でこんな子供を生んじゃったんだろう。いっそのこと一緒に死んでしまったほうがいいのではないかとさえ思えてきてしまいます。臨床心理士の先生にも月1回相談に行くのですが、一度こういうふうに思ってしまうと歯どめがきかないのです。本当にひどい母親だとは思いますが、子供のことがかわいいと思えません。別に子供に何かを期待しているのではないのですが、何だかとてもむなしくてやりきれない気持ちになります。何かよいアドバイス等ありましたらお聞かせください。よろしくお願いいたします。
40代/女性 | 日付:2009年11月12日(木) 09:40 JST | 閲覧件数: 2,920
はじめまして。谷口と申します。
大変な中、ご相談いただきありがとうございます。
おそらくこの悩み辞典に投稿いただくこと時点で、かなりのエネルギーが必要だと思います(悩みを投稿した時点でかなりエネルギーを消耗したのではないでしょうか?)
お子さんがADHDの多動がないADDであるとの診断を受けられたとのことですが、私自身その分野の専門家ではありませんので、
無理解ゆえの言葉の使い方の間違いがあるやもしれません。
その点何卒ご了承ください。
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発達障害という知識全般については、メディアの報道や教育、医療機関などを通してだいぶ世間的な認知が広がったと言われています。
しかし、世間的に認知が広がりつつあるとしてもそれはあくまで一般的なことであり、あなたのように母親として子どもに“診断”がついたという現実と向き合うこと。
更にこのことに伴う日々生じるストレスや、将来に対するどうしようもない不安感にさいなまれることとは全く別のことだと思います。
(一般的に)ADHDはその多動性ゆえ、学校や地域でも目にとまり注意の対象になりますが、ADDの特性を持つお子さんは“不注意”という特性ゆえ、
専門的に適切な対応がなかなかなされていないと聞いたことがあります。
ご相談者のお子さんがどうであるかは分かりませんが、多くのお子さんが感じる生活の“しずらさ”、それをさまざまな形で長期にわたって支えていく
当事者(多くはご両親)にとって、長く真っ暗なトンネルを歩いている感覚なのかもしれません。
お子さんへの支援については月に一度の支援者との関わりなどを通して専門的見地でのケアをまずは優先すべきかと私は考えます。
そしてここでのご相談に答えるという立場である私があなたに是非お伝えしたいことは、
あなたへの最大級の賛辞とねぎらいの言葉のみです。
本当に…本当に、あなたは今までお子さんと共に一生懸命がんばって歩んでこられたと、心の底から思っています。
今のあなたが、ご相談のような思いになることは、当事者の親として考えても決して“ひどい母親”ではありません。
身近な対象と比較して暗澹たる思いとなるのも、想像もつかないような将来を悲観することも…。
同じ立場に私がなったとして、想像に難くありません。
私からあなたにできるアドバイスがあるとするならば、安心できる身近な方(ご主人や親御さんなど)に一日だけでもお子さんをお委ねして、自分のことだけを考えられる一人の時間を作ってみてはいかがでしょうか?
◇ 日帰りの温泉旅行に行って全身温泉に浸かり続ける…
◇ 話題のスウィーツをゲップが出るほど食べまくる…
◇ 図書館で好きな本を好きな時間だけ読む…
◇ ウィンドウショッピングを堪能する(どうしてものお気に入りは買っちゃう)
◇ どうしても行きたかったミュージシャンのコンサートではじける…
現実的は難しい事柄かもしれません。
しかし、できましたらお友達とのおしゃべりなどではなく自分で自分のことだけを見つめる時間を。
ご自身をたっぷりかわいがってあげる時間を半ば強制的に捻出するということです。
あなたのお子さんは、お母さん(つまりあなた)に今までたっぷりと支えてきてもらいました。
たまには、そのお母さんも誰かに支えてもらわないといけない。
一番最初にその誰かというのは他でもない、わがままをすべて受容してくれるあなた自身ではないかなぁと思ったからです。
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※参考までに、通りいっぺんのアドバイスになってしまいますが、月に一度の支援者との関わりをより良くしていくために、どのような打合せにも共通するポイントをお伝えしますね。
□ 相談する内容に優先順位をつける。
相談したいこと、困っていることはたくさんあるかもしれませんが現在のお子さんの状態、能力、周囲との関係を総合的に見て何からアプローチするのかを順位づけします。
順番を決める一番大事なことは『お子さんご本人にとって意味のあることか』ということになると思います。
□ 支援者の方の言葉を裏読みしない。
これから長いお付き合いになっていくことと思われます。
またお子さんを共にサポートしていくという関係でもありますからできるだけ良好な関係を築き、継続させていきたいですよね。
そのためにも言葉や態度を深読みしないことをお勧めします。
『これってどういう意味なんだろう?』『どういうつもりで言っているんだろう?』
疑問が浮かんだら自己解釈しないで「それはどういう意味ですか?」「もう少しやさしい言葉で言ってください」「例えばどういうことですか?」と聞いてみることをお勧めします。
□ フィードバックと感謝の言葉を。
支援者の方はいろいろとアドバイスをされると思います。
そのアドバイスに基づいて行ったことについての報告をされることをお勧めします。
支援者の方の立場で考えるとアドバイスするばかりでその後どうなったかわからないって不安ですよね。
上手くいったのかいかなかったのか、変化がみられたのかみられなかったのか、是非伝えてみてはいかがでしょう。
そしてそのときに少しでも良い手ごたえを感じられたなら感謝の言葉を添えてみてください。
手ごたえがないときは相手を責めるのではなく、どう修正していけばよいかをまた相談してみてください。
お子さんも、保護者の皆さんも、支援者の方々も、誰だって認められたい誉められたい筈ですから。
そしてこのようなやり取りがゆるぎない両者の信頼関係に繋がっていくことになると思います。
一般的な打合せのポイントは以上のようなものですが、最後にひとつ付け足したいと思います。
それは
□ あなた自身の相談を。
今、発達障害を取り巻く考え方はご本人のサポートから家族単位でサポートしようという考えに移行しつつあると聞いたことがあります。
あなたの不安な気持ち、お子さんを心配している気持ちを打ち明けてみたらいかがでしょう?
同じような立場の方々の集まりを紹介してもらえるかもしれませんし、お子さんについて理解がより進む本を紹介してくださるかもしれません。
あなたは十分に頑張って毎日を暮らしていらっしゃるのですから相談する権利をおもちだと思います。
回答日時:2009年11月12日(木) 15:26 JST
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回答をどうもありがとうございました。今、回答を呼んでいて涙が出てきました。でも、私は自分がひどい母親だと今でも思っています。正直これからどうしていったらいいのかもわかりません。でも、アドバイスを読んでいて少し救われたような気がしています。本当にありがとうございました。
| 40代/女性 | コメント投稿日:2009-11-12 |