何が可能か、不可能か、仕分け作業をしましょう。

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

リンリンさん　随分ご苦労をされましたね。お父様もお気の毒だと思います。
しかし、これまでの人生で体験されたと思いますが、どれだけ望んでも叶えられない事ってあると思うのです。
そこでリンリンさんの望みを全てスパッと解決できる事は先ず不可能だという事を前提として知っておいて下さい。

その上で何が可能か、不可能か、仕分け作業をしましょう。
ここには多くの問題がありますが、大事な事の優先順位を決めましょう。
そんな中、仕方がないと目を瞑れる部分はちょっと横においておきましょう。

そして、先ず根本的は事は　方向性が決らないとアドバイスは出来ません。
年金が半分づつされるのであれば、離婚をしないが　年金が全てお父様の下に入るなら離婚をするというのであれば
要するに、お金の問題と考えるという事をしましょう。

ここで少し、ウンチクをたれますね。

先ず、人は住むところを失うと　心まで彷徨います。
雨風しのげる、屋根の下でゆっくり身体を休めてこそ、次への英気が養えます。
それは例え、持ち家であっても賃貸であってもです。

その考えで行くと、お父様はいくら気持ちが弱っていた病身中だったとは言え、お兄様に家を渡したのは間違いだったのです。
これはもう、済んだ事だから仕方がないのは判りますが、これをちゃんと反省として中心軸にもってほしいのです。
人間は安心して人生が送れるねぐらが必要です。
これはお母様も、お兄様も一緒だから家を欲しがったのでしょう。
そこをあっさり引き渡したのですから、悔しいですがここはお兄様方に一本アリ！です。

しかしここに私は疑問を持ちます。
家の名義はそう簡単に代えられません。
司法書士などにお願いして、委任状も用意して登記簿も病院にはないので家から持ち出して役所との往復です。
実印も含め、印鑑証明も取り寄せ、色々世間の事が判っているつもりの私も家の売買や名義変更はいろんな問題がでてきて、わかりにくい事です。

普通なら本人がやるべきことで、とても大変な作業なのに、全てが委任状を持った家族が出来るような簡単なものではないはずです。普通はとにかく、退院してから・・・ということになるのではありませんか？
それを、一度も社会経験のないお兄様がお母様と協力して実行できる知恵はあるのかな？と不思議です。

でも、そんな病気の時でも代理人を使って名義変更が出来たとしてそれが本当だとしたら、逆に取り戻すことも出来るじゃないですか？
家を取り戻し何とか家賃の要らない家にお父様が戻れば、離婚してお母様やお兄様を追い出せばいいのだと思います。

それならば、例え年金が半分になっても、家賃の要らない暮らしってどれだけ楽か。

お父様も一流の企業にお勤めになってらっしゃった、常識の通じる人だったら、自分が無償で譲った家に、お願いして住まわせてもらう為に家賃10万円を払えなんて事を言わせておくこと自身がおかしいです。

そうした企業での年金は男一人暮していくには充分もらえますので、とにかく家を取り戻すことです。
本来、家を渡した理由もあいまいですから、あの時は心身衰弱状態でとでも言って取り戻す為に立派な理由も必要はないのではないですか？

【今後兄と母に虐待されたり、お金を不当に取られる恐れがあるため、私が将来面倒を見ようと思うんですが、どうしたらいいかわかりません。父は今とても辛いと思います。】

もうここに結論がでているではありませんか？
一緒に暮らすと虐待されるので、もう一緒に住む事は不可能と結論出すべきです。迷っている場合ではありません。

年金は今は分割制度が導入されましたから、お父様がお母様に半分払うのではないのです。
お母様は専業主婦だったので、一流企業でキチンと働いてくれたお父様のお陰で、被第3号という扱いで年金が支給されますのでお父様が心配する必要はありません。
その夫の半分くらいの年金額はもらえるでしょうから、それで生活をすればいいのです。

この相談を受けて、過去の貴方の相談事も拝見しました。
貴方は経理も経験され、ファイナンシャルプランナーのお仕事に就かれたいとのご希望がおありですね。
ファイナンシャルプランナーは生活設計は元より、資産運用などの問題も含み、年金問題は知らないではできません。
せっかくですから、ご自身のためというより、お父様の為にこの知識は得ておくべきですが、以前に上場企業で経理をされていたということでしたら、年金の事も知識としてお持ちだと思いますので、ようく思い出してください。

そして、お父様が役所からアパートを世話してもらったように、お母様が今後の人生は自分で考えればいいのです。
それこそ、長男さんと助け合って生活をすべきで　お兄様も健康なら肉体労働でもすればいいのです。

そうしたことを今までさせないで甘やかしてきたのは、はっきり言ってお父様にも責任の一端が有ります。

大変厳しい言い方をしますが、お父様もお仕事が大変だったとは言え、ご自身のご家庭の事も、健康なうちに
考えておくべきだったのですが、企業戦士はこうしたツケが回ってくるのです。

今は貴方の一方的なお話しか、情報がないので　もし鵜呑みにするとしたら、お母様はＡＤＨＤという精神障害があるかもしれません。重度では在りませんが　別名「片付けられない症候群」とも言います。
こうした方は　家の整理整頓は出来ない上、家事全般苦手です。
家事というのは「段取り」の塊りです。
掃除一つも、足元に雑然と散らかっている物を棚に直してこそ、初めて掃除機を掛けられるのです。
そうした段取りが出来ない人は、月々にこの範囲のお金で生活を賄うという段取りが出来ないので、かなり浪費家です。

だから今後お母様とお兄様に家を渡しても、家を担保に借金をしてどうせ、家を手放す嵌めになります。
こうした事を考えると家を名義とも取り返すことをしなければ、例えお父様が頭を下げて家に入れてもらっても
その家も、まもなくなくなるでしょう。

こういう風に考えると、離婚かどうかより、弁護士を使って家を取り戻し、離婚も同時に成立させる事が
すべての解決方法に繋がりますので、どうか弁護士費用を惜しまずに、離婚をするべきだと思います。

諸々の心配は　それ以降に考えればいいですし、本筋を考えると　その他の問題は取るに足らない問題です。
是非、弁護士の門を叩いて下さい。
頑張って下さい。

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回答日時：2010年2月18日(木) 10:12 JST

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