相談者さんの支払責任と、同棲相手への請求とを切り離して考えましょう

松下 豊太郎

ご相談を法的視点で整理分析すると次のようになります。
○事実確認
１．契約者の責任
　a.賃貸契約の契約者として、実際に使っていなくても契約期間の賃貸料の支払義務があります。
　b.電気・ガス・水道料金も同様に支払い義務があります。

２．同棲相手との法的な関係
　a.内縁と同棲では、法的扱いが大きく違ってきます。
　b.内縁は事実婚＝婚姻未届の夫婦。夫婦別姓法が成立するまで婚姻届を出さないとする社民党福島党首のケースなど。所得税法、健康保険法上も扶養者･被扶養者の関係が認められます。
c.同棲は、同居人の関係。婚姻の意思がなく、恋愛の延長線上での同居状態。こ　の同棲には夫婦間のような相互扶助義務など法的保護の対象ではありません。
　したがって、生活費負担も原則として、同居人の自己負担で足り、相手の分まで負担義務はないという解釈です。

○現状分析と対応策
１．まず相談者さんの支払義務を果たすことが急務です。
このまま放置すると、家賃、電気ガス水道料金、いずれも滞納額が増えそれぞれマニュアルに従い淡々と法的手段による回収手続きにすすむと思われます。

２．次に同棲相手に対し、その使用期間相当額の支払義務があることを通知し、認めさせ、支払請求し取立てする手順手法を検討しましょう。
　a.同棲相手はもはや、誠実で信頼できる相手ではないということを相談者さんが受け入れ、感情のうっ憤の爆発とは別の観点で、淡々と請求・回収の具体策を練ることです。
　b.相手を呼び出し、支払義務○○円、支払方法や支払期限、不払いの場合のペナルティ等の書面をつくり署名押印させることです。

３．上記のようなことを前提に次のような選択肢など種々あります。
　a.相談者さんご自身で対処する選択肢、
　b.行政書士など法律家に有料相談しアドバイスを受けて対処する選択肢、
　c.弁護士に代理人として交渉から解決まで一切を依頼する選択肢
　どれを選ぶかは、相談者さんが費用対効果を考え決めることになります。

４．当事務所でも対応可能なこともありますが、地域的事情を考慮すると下記ＵＲＬを参照され、最寄の専門家をご活用されるほうが便利かもしれません。
　　東京行政書士会　電話03-3477-2881　http://www.tokyo-gyosei.or.jp/
　　東京弁護士会　電話03-3581-2201　http://www.toben.or.jp/

いずれにせよスムースに現状が打開できますよう願っております。

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回答日時：2010年4月10日(土) 13:12 JST

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