相談&回答 |
約3分で読めます。
※相談&回答を読んだ時の目安時間 |
回答プロ: 松下 豊太郎
ご相談者:40代/男性
はじめまして、ナイトと申します。
先月20日、隣から発生した火災により我が家が全焼しました。
隣家の住人は現場で、「ごめんなさい」とわびたきり、その後挨拶には来ませんでした。
しかたがないので、こちらから隣人が家の整理にきているときに、火元の兄(今回の火事で死亡)の弟さんの連絡先を教えてもらい、家のことで相談したいともちかけました。
そして当日、失火法で弁済義務がない事は存じていますが、隣人はとび職を営んでいたので、解体くらいはお願いできるかと思い、話したのですが、出火したのは自分の兄なため、責任はない。また、解体する費用をだすこともできないとの話をしていきました。
これには長い間近所付き合いをしてきて、あまりに誠意がないと思いました。
こちらは突然家を失い、父は直後に病院に入院(現在は退院しています)し、妻子は義母の実家と一家離散になってしまいました。
またアパートを経営していたのですが、当然そちらの収入を得られなくなりました。
最近好意で近くの家を借りることができたのはよかったのですが、古い家のため、暖房器具や風呂がなく、
年老いた両親とともに、10分離れた銭湯通いを余儀なくされています。父は目が見えないため、夜は出かけることは困難な状態なのにです。いきなりこんな生活を余儀なくしておいて、何もしようとしない隣人に非常に憤りを感じている毎日です。
出火原因は、警察に確認してたところ、電気製品によるものとのことでした。
隣人にすべて弁済というつもりはないですが、常識的な範囲の誠意を求めたいと思いますが可能でしょうか。
ご回答どうぞよろしくお願いいたします。
40代/男性 | 日付:2010年4月15日(木) 09:33 JST | 閲覧件数: 9,326
法的視点でご相談を整理分析すると次のようになります
○事実確認
(1)相談文にも書かれている失火法と民法の関係
a.民法709条に、故意または過失によって他人の権利を侵害した者はその損害賠償責任があると定めています。
b.しかし、失火法に民法第709条の規定は失火の場合にはこれを適用せずと例外を定めています。
c.また、但書きで、失火者に重大なる過失あるときはこの限りでないと、例外の例外→原則どおり賠償責任があるとの定めがあります。
○現状分析
(1)上記のように、失火に重過失があると法的根拠を立証し、損害賠償請求する選択肢はあります。
(2)法的根拠がなければ、「誠意をみせろ」という暗黙の金銭的請求は不当請求となります。
(3)相談者さんの火災保険請求に関し、損害賠償を受けた場合はその部分について、保険会社は保険金支払が免責されるといった規定を置いているのが一般的です。
(4)重過失による損害賠償請求を考える場合に、上記(3)の点をご確認されるようおすすめします。
○対応策
(1)任意に、自主的な賠償金の支払が受けられない場合は、失火法但し書きに基づき、失火に重過失があると立証できるかを検証し、損壊賠償請求の裁判を起こすことになります。
(2)過去重過失と認められたケースは次のようなものがあります。
・主婦が天ぷら油を入れた鍋をガスコンロで加熱したままその場を離れた間に引火
・電気ストーブをつけて布団で横になったところ眠ってしまい布団に火が燃え移って引火
・寝タバコで引火、火災が発生
(3)具体的な立証方法や裁判手続きは弁護士の領域になります。
ご参考 東京弁護士会 03-3581-2201 http://www.toben.or.jp/
いずれにせよスムースに現状が打開できますよう願っております
回答日時:2010年4月15日(木) 12:01 JST
・お礼はご本人のみ投稿可能です。
・回答を読みましたらご投稿下さい。
こちらのプロも相談受付中です。
悩み辞典は、安心して登録・相談できます。
※ 当サイトは、ご記入いただいた個人情報を、お問い合わせに対するご連絡以外の目的では使用いたしません。
※ ご記入いただいた個人情報は、当サイトで保有し、第三者に提供することはありません。
※ 当サイトの個人情報の取扱方針につきましては、プライバシーポリシーをご確認ください。
※ 財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)より個人情報の適切な取扱いを実施している企業であることを 認定する「プライバシーマーク」(Pマーク)を取得しています。
※ ベリサイン社のデジタル認証IDと暗号化(128bit)によって保護され、安全にお申込み頂けます。
こんにちは。ナイトです。
迅速なご回答ありがとうございました。
重過失があるかどうか、再度警察に確認してみたいと思います。
電源からの自然出火だとすると、もう泣き寝入りするしかないかもしれませんね。
そうなると隣人がちゃんと家の後始末を早期でしてくれるよう、誠意を申し入れるくらいです。
隣人は保険にはいっておらず、解体費も無いような感じでしたので、そのままにして逃げないよう祈るのみです。
| 40代/男性 | コメント投稿日:2010-04-15 |