勇ましいのか恐がっているのか、どっちですか？

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

この御相談には　３つの問題が含まれていると考えて下さい。

まず、1つ目。
私は長年の相談業経験でこうしたＤＶをする男性は、そう簡単にしなくなるとは思えません。
これはＤＶがドラッグと同様、依存症である為、本当は病院や、施設に入り、心身ともに改善プログラムを基に取り組むべき問題で、一人で反省して治るような簡単なものではないのを知っているからです。
しかし、世の中には、本当に意志も強く、人生観を変えて自分を律する人がいます。
このタイプにご主人が当るのかどうか、私はお会いしたことがないので、ご主人のいう人が変わったという事は
確認する事が出来ません。

しかし　今はご主人の人が変わろうが、何をしようがjuju620さんにとってはもう関係無い訳ですよね。
要するに、もう夫婦としてやっていく気がないという事ですよね。
そうなれば、やはり選択肢は離婚という事になるのです。

でもここで娘さん達にとっては父親だし、長年連れ添っていいところもあったし・・・というような「情」を持ち出せば離婚は出来なくなります。
と、いう事は冷たい言い方ですが、離婚とは「情を断ち切る」作業ですから　この情の存在は目をつむりましょう。
そこで1つ目の課題は、情を封印しなければ離婚ができないという事をお分かりいただけましたね。

では2つ目。
離婚に際し、何か望むものはあると思います。
長年の共有名義の貯金や財産。
ソコは老後の為に必要ではありますが、これは確保されていますか？
ここがご主人の手の中にあって、離婚に際し、これを分けたいという事であれば、ご主人も離婚をしたくないと言っているので、おいそれと財産を分けてくれるとは思えないという事を知っておいて欲しいのです。
その上で、juju620さんが手にしたいものは、何か？
それによってこの離婚が成立するかしないかが違ってきます。
もちろん、私は全て諦めろとは言いません。
当然年金の問題もあるでしょうし・・・・・
しかし、もし、会社経営をされている社長夫人であれば、へそくりも相当持っていてという事で、金銭的な要求はないのであれば、そこは目指さなくてもよい分だけ、ご主人からの交換条件にも応じる必要がないという事になります。

そして3つ目。
juju620さんの希望とは別に、世の中、通る話と通らない話があるという現実を知ってほしいのです。
どういう事かと申しますと、世の中には弁護士とか法律という事が存在します。
それは何故でしょう？
もちろん日本が法治国家であるという事が先ず第一ですが、では何故、法律や弁護士が必要なのでしょう？

この答えは、色んなルールを守らない人がいて、理屈が通じない人がいて、自主的な道徳心がない人も居て。
だから、そういう人たちの統制を取る為に、「法」というルールで囲い、それから違反した場合は罰則を与えるという
縛りをするのです。

でもこうしたルールを守らない人は、同等の家族であったりする物の、意見も聞きませんし、家族間で罰則を与えるわけにもいきません。
だから、こうした事を裁判所という「法」を司る裁判所で解決したり、弁護士という権限でもって采配してもらうのです。

要するに、理屈を理解しない人は、何らか権力で抑えたり、法律家に断言してもらうしかない為、日本には司法が存在するのです。

でも、ここでも人間力の強い人は弁護士に頼らず、自分が表に立ち、談判し、相手と話し合いを成就させる人がいます。

実は私もあることで裁判をした事が有ります。
相手は弁護士を付けてきましたが、私は付けずに戦いました。
そして勝ちました。
これは相手の弁護士も裁判官も後で、こっそり耳打ちのように「あっぱれ・・・どこかで勉強したのか？」と言われました。
でも、私は特に勉強もしていませんが自分が正しいと思うことを普通に主張しただけです。
（ま、裁判制度の中で必ず正しい者が勝つとは限りませんが、私はたまたま運も良かったと思います）

要するに、自己主張をキチンと出来る自信のある人は　法律や弁護士の手を借りなくても談判が出来るのです。

しかし、juju620さんはどうでしょうか？
長年、夫の暴力に遇い、そこからやっと逃げ出せた被害者です。

ここでどうしてもご主人と、juju620さんの力関係が分かりますよね。
このjuju620さんが、今、弁護士も法律の手も借りたくない・・・・・・・・
これは一見、逞しいと見えますが、私はそうは思えません。

実はjuju620さんは元々、争いごとは好きでは在りません（ま、女性で争いごとが好き人などはいないので当たり前ですが）
抵抗する事が出来なかったのでＤＶの被害を受けるという立場だったのです。
だから今回も、相手を上手くなだめる方法のようなことを質問していて、一見平和主義のように思えますが
私はやはり、ここでもＤＶの呪縛から開放されておらず、ご主人を恐がっておられるのだと思います。
この自分の性格という物を、しっかり自覚して欲しいというのが3つ目の問題です。

ではここでしっかり自己分析をしてもらえたとして、自分という人間がわかってこそ、相手との対峙の方法が判ってきます。
己を知らなければ相手への姿勢も決められません。

さて、ではここからが問題です。
自分が判って、物の道理を判る・・・・・・

その次に大事な事は　最初に書きましたように、世の中、叶う事と叶わない事があるという事です。
juju620さんは結局、今もご主人を恐れているのです。
女性だったら、男性から別れ話をされたら「手首を切ってやる」とか「窓から飛び降りて死んでやる」とかと言います。
これは中には実際にリストカットをする人がありますが、本当に死ぬ人は殆どいません。
本当に死ぬ人は人に告げず、誰にも判らないところで命を絶ちます。

でも人に自殺未遂をしたとかをいう事は　これ自身が「脅かし」なのです。
この「脅かし」と聞いて思い出すことはありませんか？

そうです、以前juju620さんが遭っていた、ＤＶと同じ構造です。
物や手で相手を傷つけるのが暴力だとすると　以前のjuju620さんはこれに脅かされたと思います。

それが、今、別居している物だから、直接手を出せないだけで、相変わらず「死ぬ」という恐怖を与えてきているのは
精神的暴力です。
今は　この精神的暴力を、モラルハラスメントと言って、どの道、暴力の部類だと定義しています。

如何ですか？juju620さんは今、別居をしていて、安全な所にいるので　平和な解決方法を望んでいますが、
実はこの平和な解決方法こそ、「ご主人からの報復」を恐れてのことなのかもしれません。

こうして、まだご主人を恐れているというより、元々強い物には恐怖心を持つという体質のjuju620さんは
自分の力を過信してはいけません。
やはりこうした体質はあまり変わりません。
ご主人が何度もＤＶを断ち切る約束をしながら、同じ過ちを繰り返したように、人間の本質は変わらないのです。
これは、juju620さんも同じだと認識して下さい。

脅迫する者と脅迫される者。
この依然と変わらない立場でご主人と対等に向き合えますか？
このご主人を、上手くなだめる事ってjuju620さんで出来ますか？
この方法をお聞きになりたくて、この悩み辞典に投稿されたのはよく判りますが、
ご主人に向き合える強さが　自分にあるか、それをもう一度良く考えて欲しいのです。

ましてここに離婚に際し、財産分与の話までをキチンとけりを付けたいと思っているのであれば
弁護士と同じくらいの大仕事になります。

それが出来るくらいの強い人なら、juju620さんはＤＶに遭わなかった気がします。

弁護士を舐めてはいけませんよ。
個人的な話し合いで、上手く型が付くくらい、一般人が長けているのなら、弁護士は要りません。
でも、ご主人のような、暴力夫は上から断言してもらうに限ります。
そこでは、金銭的な事も同時に決まりますから一石二鳥です。
費用が掛る事は、辛いでしょうけれど、むしろ費用を使ったほうが、当たり前の財産分与がいただけると思います。

餅は餅屋です。
子犬が狂犬の小屋には近づかないのが賢明です。

それでも、どうしても自分で解決したいなら、アンダーグラウンドなやり方しか在りません。
これは私が耳打ちして、お教えしますので　必要であれば　直接お電話下さい。
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回答日時：2010年4月18日(日) 09:46 JST

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