相談&回答 |
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回答プロ: 松下 豊太郎
ご相談者:30代/女性
はじめまして。よろしくお願いいたします。
私は、子供が生まれてすぐに離婚しました。
元夫は、私に借金を押しつけて消えてしましました。
その後、私は免責を受け、両親の世話になりながら、ようやく最近になってまともな暮らしをができるようになりました。今、生活できているのは、私の両親のおかげです。
私自身も定職に就き、将来の不測の事態に備えて保険をかけれる余裕ができました。
ところが最近、ラジオの人生相談で、下記のような相談があり、両親やその親戚一同も含めとても怒りを感じております。このような事態を防ぐために、あらかじめできることはありますでしょうか?
男性からの相談:「離婚して手放した子供が36歳で事故で亡くなった。その子供は、独身の男性で年収もあり、母親のために生命保険をかけていた。その生命保険は、父親として受け取る権利があるので半額受け取った。でも、よく考えたら、他にも財産があって、受け取る権利のあるお金があったのではないか?
ちなみに、私は養育費や生活費など生命保険料を含めて離婚後何十年も一切払ったことはない。」
というものでした。
私も、出産費用を含めて1円も受け取ってませんし、生命保険の受取人は両親や子供にしてありますが、私と子供が同時に亡くなるなど、元夫が受取人になる場合が発生するかもと保険屋さんがおっしゃってました。その点、資格のある方に相談したほうがよいとのこと。
葬式代程度ではありますが、元夫には1円どころか子供の髪の毛一本やりたくありません。
何かいい方法はありませんでしょうか?
私の気持ちはもちろんですが、私の両親を含め、親戚の方々には大変お世話になりました。
その方たちに、今後はできるだけ心配をかけたくないのです。
どうかよろしくお願いいたします。
30代/女性 | 日付:2010年6月 1日(火) 17:30 JST | 閲覧件数: 4,937
ご相談を法的視点で整理分析すると次のようになります
○事実確認
(1)夫婦は離婚で他人に戻りますが、父子関係は変わりません。
(2)具体的には、相互に法定相続人となります。
(3)血縁の父の第一順位相続人は「子」、「子」の第二順位相続人は「父」と「母」です。日常疎遠であっても、所在不明でも、民法の定めは血縁を基準に法定相続人を決めています。
○現状分析と課題
(1)生命保険金は、受取人の指定があれば、指定受取人が受取権利者です。
(2)しかし受取人の指定をしていなければ、法定相続人が受取権利者となるという契約になっています。
(3)また、指定受取人が死亡したとき、受取人変更手続により新受取人の指定がなければ、死亡した指定受取人の法定相続人が受取権者となり、お子様の父親が受取人になる可能性もあります。
(4)そのため、保険会社に、あらかじめ指定受取人は子、子が先に死亡した場合は相談者、子と相談者が同時に死亡した場合は、相談者の両親といった具合に、予備的受取人の指定について保険会社に相談しておくなどの対応が検討課題でしょう。
(5)次に、子が死亡した時に実子がなければ、その父母が相続人になります。子が満15歳になれば遺言書を書くことで、実父の受け取り権を半分(遺留分)にすることができます。
(6)また、実父に借金がある場合、子は法定相続人となりますから、相続放棄の手続を家庭裁判所で取らないと父の借金を背負うことになりますので注意が必要です。
○養育費の請求も可能
養育費は、元夫→元妻への支払ではなく、父が子の育成に必要な費用を負担することですから、今からでも請求は可能です。自主的に応じなければ裁判所の力をかり請求する手段手法もあります。もっとも裁判所が支払保証や集金してくれるわけではないので実際に受け取れるかどうかは未知数という悲しい現実はあります。
○今日から明日へ向かって
子は母親の背中を見て育ちます。また子育てされている相談者さんの姿に新たな出会いが訪れ、パートナー兼新しい子のパパが誕生するかもしれません。貧しくも笑顔のある生活の向こうに、素敵な未来が開けますよう願っております。
回答日時:2010年6月 1日(火) 18:38 JST
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松下様
大変詳しくご回答頂きありがとうございます。
また、私より先の目線でアドバイス頂きまして大変感謝しております。
まずは、先生のアドバイス通りできることから少しずつ解決していきたいと思います。
本当にありがとうございました。
| 30代/女性 | コメント投稿日:2010-06-02 |