相談&回答 |
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回答プロ: 松下 豊太郎
ご相談者:40代/男性
はじめまして。
ご質問させていただきます。
内容は車の「空ローン」についてです。
3年ほど前、私名義で架空の車のローンをくみました。
そこでできた400万ほどのお金は仲介した人間にもっていかれ、
今現在も私が支払いをしております。
先日そのローンを通した車屋がクレジット会社に訴えられました。
内容は詳しくわかりません。
私が車屋との面識がないため想像ですが、
1.ローン契約に必要な書類が揃わず(車検証など)融資が実行され、
その後も書類が揃わず、内容を調べたら実態がないものだった
2.私のほかに8名ほど空ローンを組んだ人間がいるようで支払いが滞り、
責任を追求された。
3.仲介した人間は別の詐欺罪で逮捕され(今は釈放されてます)
その関連で「空ローン」がでてきた
というところです。
で、私の話ですがまずは半年ほど前に
「クレジット会社より支払いの命令がきました。一括で残金を支払ってください。はらわなければ訴えます」
という書留が車屋から届きました。その際、こちらから電話したのですがつながらず放置しました
そして、先日「クレジット会社より訴えられました。
判決後、あなたへローン残金の請求をします」という書留が車屋から届きました。
書留の中には「損害賠償請求事件」という答弁書催告状のコピー(原告:クレジット会社 被告:車屋)
がはいっておりました。(裁判は6/22です)
[教えていただきたいこと]
1.訴えたり、請求したりというのは車屋が私に対してできるのでしょうか。
2.何故ローン会社は車屋を訴えて私を訴えてこないのでしょうか。
3.車屋とローン会社での裁判で「空ローン」があきらかになった場合、
契約している私はどう対応したらよいのでしょうか。またどういった罪に問われるのでしょうか。
4.訴状はどういった経緯で届くのでしょうか。
以上の4つです。
私の意思としては、経緯はどうあれ契約したのは私で騙されたのも私です。
個人情報に傷がつくのがいやなので最後まで支払いをしていくつもりです。
仲介者に恨みはありますが車屋に恨みはありません。
ただ、どうしても避けたいのは詐欺などの罪をかぶせられることです。
たくさんご質問してしまいましたが、
ご返答のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
40代/男性 | 日付:2010年6月16日(水) 20:35 JST | 閲覧件数: 24,419
ご相談を法的視点で整理分析すると次のようになります。
○事実確認
(1)訴訟(裁判)は刑事裁判と民事裁判に大きく分けられます。
刑事裁判は 犯罪行為を処罰するためのものです。警察・検察官が犯罪を捜査し、容疑者を逮捕し、刑事裁判で裁判官が、有罪か無罪か、有罪の場合適切な刑の重さはどれぐらいかを判断するものです。
民事裁判は、当事者間の権利義務について、当事者間で合意できない場合に、一方が裁判所に訴え(原告)、訴えられた側(被告)が反論し、裁判官の判断により決着をつけるものです。
(2)グレジット会社(原告)が車屋(被告)に対して、損害賠償を請求した裁判で、訴状(裁判を起こした理由、何を求めるかの言い分)、答弁書(車屋の反論)です。裁判は、当事者が判断を求めた範囲内で裁判官が判決を出します。民事裁判のやり取りの中で犯罪行為の話が出たからといって、途中で刑事裁判に切り替わるといったことはありません。
○現状分析
相談者さんは、刑事裁判と民事裁判のイメージを混同されているようですから、切り分けて考える必要がありそうです。
○おたずねの件について
Q1.訴えたり、請求したりというのは車屋が私に対してできるのでしょうか。
回答
(1)民事裁判をすることは、憲法で認められた国民の権利ですから、誰でもできます。
(2)ただし、相手に対する請求について法的な根拠(証拠)があること、請求内容が妥当なことが必要です。たとえは「殺人を依頼したのに実行してくれないから慰謝料を請求する」といった違法な内容は取り上げてもらえません。「愛人契約に基づく愛人料の支払請求」といったことも、公序良俗に反するとして取り上げてもらえないことになります。
(3)したがって、車屋の訴えが法的根拠があり、請求内容が法的に妥当なものであればできるといえます。
Q2.何故ローン会社は車屋を訴えて私を訴えてこないのでしょうか。
回答
訴えた側(原告:ローン会社)の判断です。ローン会社を騙して、ローン会社から直接お金を受取った相手が車屋という事実関係があるからだろうと推測されます。車屋との個々の契約者について車屋とグルになっていたことを証明するための手間隙を考えると効率的ではないと判断したのかもしれませんがこれは私の憶測で本当のところは不明です。
Q3.車屋とローン会社での裁判で「空ローン」があきらかになった場合、契約している私はどう対応したらよいのでしょうか。またどういった罪に問われるのでしょうか。
回答
現在の裁判はローン会社が車屋に損害賠償を支払えという裁判ですから、相談者さんは対象となりません。また、民事裁判中に明らかになった事実について、途中で刑事裁判に切り替わることはなく、この裁判で相談者さんが罪に問われることはありません。
また、Q2の私の憶測のようなことがあれば、ローン会社が別途相談者さんを被告として裁判を起こすかどうか、これはローン会社の判断ですから現状では不明です。
Q4.訴状はどういった経緯で届くのでしょうか。
回答
民事裁判の場合、原告(訴える側)が訴状(誰をどんな理由で訴えるかという裁判を求める書面)を裁判所に提出→裁判所が訴状を受取り、被告(訴えられた側)にこのような裁判を求める書類(訴状)を受け付けたと、「特別送達」という種類の郵便で送付します。裁判所の茶封筒で「特別送達」という印字があります。
以上、相談者さんのお尋ねについてです。
最後に、相談者さんが、現状で、今すぐ何をしなければならないということはないと思われます。
ただし、ご心配であれば、この相談内容の大半は「裁判関係」ですから、下記データにより、最寄の弁護士会で具体的に相談されるようおすすめします。
東京弁護士会03-3581-2201 http://www.toben.or.jp/
第一東京弁護士会 03-3595-8585 http://www.ichiben.or.jp/
第二東京弁護士会 03-3581-2255 http://niben.jp/
私は行政書士の立場ですから、裁判関係の事案について具体的な相談は領域外となることをご理解ください。
回答日時:2010年6月18日(金) 13:39 JST
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松下先生
丁寧なご返答、大変ありがとうございました。
訴状のコピーをもう一度確認してみたら「民事」となっておりました。
少しだけ安心ですが、まだ気になる部分があるので
ご記載いただいた弁護士会のほうへも相談へいってみようと思います。
ありがとうございました
| 40代/男性 | コメント投稿日:2010-06-18 |