離婚による共有名義不動産の売却

佃 泰人

ご相談ありがとうございます。

離婚に伴う共有名義の不動産売却ですね。
恐らく、共有名義にしたことによって、あなた自身は住宅ローンの契約者でなくとも連帯保証人になっていると思いますがいかがでしょうか？
連帯保証人になっているものとして、お話します。
連帯保証人になっていれば、ご主人が住宅ローンを滞納したり、支払えない場合は、連帯保証人のあなたに支払ってくれと！金融機関は言ってきます。
払えなければ、不動産は競売にかけれら、売却！この時の売却額でローンの返済を賄えれば、良いですが通常は、残債が発生し、自己破産するか、細々と返していくかの選択になります。あなた自身の財産がなくなるまで追いかけてくるのが原則です。（ご主人も全く同じです）


では離婚にあわせて普通に不動産を売却することで考えて見ます。
不動産を売却して住宅ローンを返済すると言うことであれば、ローンの残債以上で物件が売却できれば、ローン分を一括返済できるので、家が無くなるけれど借金もなくなります。従って連帯保証人のあなたの所にも来ません。

ローンの残債に満たない場合は、基本的に金融機関によりますが、この段階で抵当権を解除することはあまりないので、競売にかけて、一般の売買価格より低い金額と分かっていても競売にする可能性もあります。
ローン財産に満たない金額の売買なのに、金融機関に抵当権をはずさせるのなら、やはり自己破産を前提とする場合が条件になると思います。

決して、破産をしろといっているつもりではないですが、考えからはずすわけにいかないのでお知らせしておきます。

また、ご主人側の不動産業者に全て任せてしまうと、売買金額の妥当性（本当に市場価格に近い金額で売れたかどうか）に疑問が生じる場合が良くあります。
ご主人からしてみると、離婚調停中の不動産の売却なんて全然関心がない場合があるからです。
ましてや、あなたは連帯保証人であれば、主債務者・契約者のご主人が払う払わないで大きく影響を受けると言う立場にいますので、売却を仲介する不動産業者を十分に確認しておくと良いでしょう。（売出価格等について）
できれば、自分自身でも不動産業者数社から話を聞いてみると良いかもしれません。
また、売買から残債を差引いて残ったお金は折半で、借金も折半と言うのは、個人的には納得できません。
あなたの持分に応じた形で、それぞれ対応していただくのが原則ではないでしょうか？離婚で夫婦の共有財産だからと言っても、半分と言うのはやや理解しかねます。あくまで、主契約者のご主人が払えないことで連帯保証人のあなたの所に請求が来るのが原則です。売却後の残債もご主人が払ってくれれば、あなたの所にはこないで済むわけですから。ただそれを逆手にとって、ご主人が払わないとあなたの所に請求がいくよ！と言っているのですから、しっかりとご主人及びご主人の両親等が、残債等を返済してくれるのが一番です。慰謝料と言うのであればそのあたりの確約をとって置いた方が良いのではないでしょうか。


ご質問にあるように、残ローンの請求は来ます。それを払うか払わないかは、その後の生活にも大きく関わりますので、十分信頼できる方によく相談されるのが良いでしょう。

残ローンの支払をご主人にいくら請求しても真剣に払い続ける方はほとんどいないでしょう。離婚調停の条件等に入れても払わない方が多くいますので、期待するのはやめて置いた方が無難でしょう。

売却、あるいは競売等によりあなたが負うべき債務が確定したら法的な手続きを経て債務整理するのが良いのではないかと思います。

無理に借金に借金を重ねていっても一向に良くなる状況を見たケースがありません。ここしばらくはつらい状況が続くでしょうが、何でも話せる・相談できる方に話を聞いてもらいながら、何とか前に進んで見てください。

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回答日時：2010年9月27日(月) 12:31 JST

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