結果だけに囚われず、原因を公平な目で観察して下さい。

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

お返事お待たせいたしました。
こういうケースの場合、特に言えるのは、片一方だけのお話しで判断するのは難しいと、つくづく思います。
実際に別居にまで至っている場合、両方の意見をお聞きするのは、物理的に難しい事は良く判ります。
しかし「おばさん」さんがお聞きしている事は、やはり身内特有の身びいきの聞き方になってしまいます。
それと同じ意味で奥様側の家族も、やはり可愛い娘の肩を持つような聞き方になってしまう事は仕方がありません。
そういう事で、両方ともの言い分は、「自分の非」は過少申告で「相手の非」は過大に言っているとお考え下さい。
と、いう事で私はいつも話半分に聞くように心がけています。
ですので甥っ子さんが嘘を着いているとは申しませんが、少し割り引いてお話しをお聞きする事がいいと思います。
痛みを味わっているのは甥っ子さんなのに、何故こんな厳しい事を言うのかといいますと、調停に入りますと
相手からの言い分を聞いて、初めて知る事に驚く事実がたくさんあるのです。
ですから甥っ子さんの話しを鵜呑みにするのではなく、冷静に分析する事で、いい結果に繋がります。
この冷静に分析するという事はどういうことかと申しますと、まず矛盾点を探す事をします。
甥っ子さんの仰る事は、やはり自己弁護があるな～と思って聞くくらいが、ちょうどいいのです。

最近の風潮とすれば、「仲良し親子」すぎて、結婚しても妻が実家にべったりという事が有ります。
いつまでも、親離れ子離れが出来ていない妻は、たくさんいます。
こうした妻の場合、子供を産むのに実家へ帰り、そのまま夫の元へ帰らず、夫がベビーを一度も抱かせてもらえない離婚もあります。
こうした場合、確かに夫は、子供だけを作って、妻の家族に取られたら、変な話「種馬」的な扱いになります。
夫にすれば出産後、ベビーを連れて自分達の家に帰ってくるものと楽しみにしているのに、知らないうちに
離婚調停を申し立てられ、夫にすれば、狐につままれたようです。
こういう気の毒な夫という方が結構多いのは事実です。
私は「おばさん」さんのメールを読みながら、そういうケースかな？と思っていたのですが、ちょっと様子は違うようですね。

私自身、お見合いのお世話をよくするのですが、普通に考えると、お見合いでの結婚は、女性が働いて家計を助けるなんて事は、あまり聞いた事がありません。
もちろん、お互いの人生観で妻も結婚後も仕事を続ける方はいるには居るのですが、片やその一方で見合いという形で結婚を望む女性の希望は、堅実な企業に勤めていて、そこそこ学歴も高く、妻を養っていける男性に女性は
申し込みます。
これが若い人の恋愛で「好きで好きで、片時も離れず一緒に居たい」が「恋愛結婚」です。
それに反して見合い結婚の場合、女性はやはり相手の経済力を釣書で確認できる為、かなり経済力が結婚の条件になってきます。
そうです、見合い結婚は恋愛結婚のように、「手鍋一つで嫁に行き、夫を支え共働き」とはいかないのが現実です。
確かに結婚後も働かれる女性はお見合い結婚でもありますが、これは経済的な理由ではなく、仕事を辞めたくない
女性の場合です。
結婚で楽をしたいとまでは言いませんが、お見合い結婚の場合、夫が女性を養うという事が大前提になります。

そういう事から考えますと、恐らく甥っ子さんは最初から、「働く嫁」という条件は、結婚後の後付ではなかったのではないかと想像します。
正直申し上げて、給料が安い男性でも、お見合いはされ、それなりに地道に生活される方はいます。
しかし、生活が苦しかったから・・・・妻が働かなかったから・・・・借金をしたというのは、少し違うのではないでしょうか？
夫の一人の働きで、生活できない人は、見合いの段階で、断りが来て、お見合いには至りません。
それが、本当に恋愛結婚と変わらないくらい、女性が「手鍋提げても」一緒になりたいと望んだのであれば
例外はあると思いますが、恐らくこの結婚は、奥様が最初聞いていた話と現実とに差がありすぎたのではないでしょうか？
先ず、そこで疑問に思ったのは、働く約束が出来ていたのではなく、結婚後に仕事をして欲しいという事になったのではないでしょうか？
そしてご主人の給料だけでやりくりできないほど、奥様が浪費家だったら話しは別ですが、まだ子供さんも居ない中で、それほど生活費が掛かるとは思えません。
その借金は誰が作った借金ですか？奥様が作った借金ですか？
もしご主人が作った借金であれば、絶対に生活費だけの為に借りたのですか？
もし、そうでないなら、甥っ子であるご主人の無駄使いは無かったのですか？
厳しい言い方をすれば、セックスレスだから当然お子様も居ないと書かれてありますが、夫だけの給料で生活できないなら、妻は育児の為に産休も取れませんよね。

私はこういうご相談の場合、話しを反対から読むようにするのです。
セックスレスで家事放棄、仕事もせずに借金を作った嫁。
このように読むと、本当に酷い嫁だと思いますが、何にも原因がなくてうつ病にはなりません。
見合い結婚とは言え、お互いが気に入り結婚したのですから、セックスレスはよほど病的な原因が無い限り
夫婦仲の問題です。
好きになって結婚した相手が借金をしないと生活できない男性だと知ったときの妻の落胆は、おちおち子作りをする気もなりません。
その上で実際に借金があるとなると、「それは別」のようにセックスだけ切り離して出来るものではありません。
こうして、女性は心も身体も繋がっているので、心から尊敬できない夫には、心も身体も閉ざしてしまいます。
こうした場合のセックスレスは、それだけを捉えて離婚理由にされてもな～と言う感じを受けます。
例えばこう考えられませんか？
奥様が、結婚して、蓋を開けてしたら、実は家計は火の車で、妻がパートにでも出ないと生活できない結婚。
これには奥様は「聞いてないよ～」という事になります。
その上で、どちらが作ったかはここに書かれてないので判りませんが、借金しないと生活できないとなると
恐らく奥様は実家にも頼って生活費を工面していたかもしれません。
もちろん、夜だけ仲良くするなんてありえないので、セックスレスにもなります。
そんな中、夫婦喧嘩が耐えない場合、鬱病にもなって、家事はおろそかになります。
もちろん夫婦喧嘩になると、お互い言葉も荒れてくるので、相手には恐怖心すら覚えるようになるのです。
こうなると、まともに話し合いなんて出来ませんから、実家へ逃げ帰ったとしても夫との話し合いなんて恐くて出来ないでしょう。

すいません、甥っ子さんの事を悪者扱いして・・・・・・・・
でも、私は甥っ子さんとは赤の他人ですから、こういう話は身びいきせずに考えられます。
奥様のご両親が、娘を庇うように、「おばさん」さんも甥っ子さんの言葉だけを鵜呑みにすれば、甥っ子さんが被害者のように思えますよね。
しかし、物事には原因があって結果が在るのです。
甥っ子さんの仰る、離婚理由には、すべて原因があって、その今の結果に繋がっていると思えば
結果だけに注目すると、本当の答えが見えなくなります。

奥様が自立支援を申請するという事は甥っ子さんと離婚して自立をしたいという事ではないですか？
所得証明や納税証明は確かに申請には必要です。
旧姓に戻した郵便物は、離婚の決意の表れではないですか？
離婚の場合、調停前置主義と言って、必ず調停を通らないといけませんが、相手が出廷しなければ
不調に終わらせ、裁判へ持ち込めば、裁判なら、判決が下されます。
裁判にもでて来ない場合は甥っ子さんの要求が通るでしょう。
月々の生活費というのは、それまでの婚姻費用といって別居の場合支払うべきお金ですから3万円は決して
法外な請求ではないと思います。
むしろ、ここで奥様の希望に逆らわず、添うておいた方がスムーズに進むような気がします。
こうして、相手を何もかも悪者にすると、逆に牙を剥かれて甥っ子さんが慰藉料請求でもされかねません。
借金を返済されるのは大変ですが、ここはやはり夫婦で作った借金と解釈して、甥っ子さんにも責任は有ります。
無責任な言い方ですが、お見合い結婚で、妻が働かないと、生活できなかったというのは、
お見合い結婚をすべきではありません。
そこから、夫婦の溝が出来たのかも知れませんから、調停であまり声高に「妻が働かない。妻が鬱病」と言えば
その原因を突かれますよ。
本当に離婚をしたいのであれば、あまり相手を敵にしない事です。
一般的に調停になっている場合、個人的に別で会って話し合いという事はしません。
せっかく調停を掛けたのですから、その調停手順に添って粛々と進めるべきです。
裏に回って個人交渉をしようと思えば、調停を掛けた意味がありませんからね。
頑張って下さいと甥っ子さんにお伝え下さい。

このプロに有料相談

回答日時：2010年11月12日(金) 17:30 JST

・お礼はご本人のみ投稿可能です。
・回答を読みましたらご投稿下さい。

夫婦問題カウンセラー

村越 真里子相談件数：1338件

プロフィールこれまでの回答

このプロにすぐ相談 このプロに有料相談