精神的ＤＶは実証が大切ですので、準備しましょう。

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

お返事お待たせいたしました。
妹さんの事は確かに心配な状態ですし、その家庭で育つお子様方の心を考えると、ご相談者様にとっては、何とかしたいと思われる事は良く分かります。

しかし、この先、問題解決をしていくに当たり、最終的には妹さんの「意思と決断と行動力」と、この3つが不可欠です。
ご相談者様に回答を差し上げることは構わないのですが、それが妹さんへ届くのか、そしてもっと言えば、妹さんの意思とご相談者様の意思統一は出来ているのかが、気になるところです。
もちろん、こういう夫婦の状態が妹さんも、良いと思っているはずはないと思います。
しかし、ここが難しい所なのですが、ＤＶ被害者の特徴は、そこから逃げる勇気も失っているという事です。ですからいくらご相談者様が妹さんを救いだしてあげたいと思っても、最終的に妹さんが尻込みをしてしまうと、奪回作戦が成功します。
だから、ここであえて奪回作戦と書いたのには、意味があります。
昔、オ○ム真理教の信者を家族が奪回作戦という事があった時に、一番苦労されたのは、信者自身の意思です。
本当に信者本人が奪回をしたくって、望んではいるけれど、その方法が自分では実行するすべがないというなら、いくらでもチャンスを与えることで、手を差し伸べる事が出来ます。

しかし、信者自身が麻原のマインドコントロールから抜け出せない内は、こちらが手を差し伸べても、
その手を離します。
また、家庭へ戻したとしても、自分からまた、その宗教に戻ってしまうという事がありました。

結局、宗教にしても、ＤＶにしても本人が、そこから抜け出したいという意思が確定しているか、そして
妹さんの場合、ご主人のＤＶ気質を、認識しているか、という事が今後の事の大きな課題となります。

そこで今回のご相談者様の提案が妹さんからの提案かどうかが確かめたいと思います。
つまり、妹さんが、ＤＶ夫から本当に逃れたいと思われているなら、妹さんと、作戦を立て、細かいことは後からいくらでも片付けられますので、まずは家から出させることから始めるしかないのです。
しかし、これは決意も行動も伴い、まずは妹さんにその意思がなければなりません。

未成年のオ○ム信者なら親の責任の下で、やや乱暴でも麻酔薬を嗅がせても、腕ずくで連れ出し、家庭でマインドコントロールを解くために軟禁状態にするというような事も考えられます。（実際にはここまではしませんが）

妹さんは、第三子をご出産されて、まだ間がないので、育児も大変だと思います。
だから、妹さんは今の夫から逃げ出したいと思っていても、物理的に難しく、兄であるご相談者様に
相談をしてきた、というなら妹さんを奪回出来ると思うのです。

でも、妹さんはどうにかしたいというのではなく、単なる愚痴をご相談者様にこぼしていたとして、それをご相談者様が問題と感じていても、いざとなったら妹さんが動かない事が考えられます。

この場合、妹さんが問題意識を持たれているのか、相談者様が問題だと感じられているのだとしたら、
手を差し伸べても、乗ってこない事があります。

確かに相談者様が、妹さんを守りながら、遠くから遠隔操作で妹さんを（子供さんも共に）無傷で救出出来るといいのですが、実際は妹さんとの協力なしで、奪回出来ることではないのです。

そういう事で、妹さんの意思は、自分では、どうしていいか分らないから、相談者様に助けを求めてきたのか、またはそうであれば、すぐにでもＤＶから逃げる心準備はあるのか、という所が私には気になるところです。

でも、ま、そんなことばかりを言ってても始まりませんので一応、妹さんはそういう意思があると、
見越して、お答えしていきたいと思います。

まず、親権とかの法律的な話になると、私は弁護士ではありませんので、非弁行為に抵触し、回答ができません。
そこで私がこれまで弁護士の先生と提携しながら、出してきた結果が参考になると思いますので、過去の事例をお知らせします。

まず、妹さんの心配されている親権の事ですが、まだ一番下のお子様は乳児ですので、母親が居ない生活はあり得ません。
だから親権は普通に考えると妹さんが持てます。
そして児童福祉の観点から、兄弟は分割すべきではない、という考え方があり、余程の事情がない限り、お子様を、両親がそれぞれ引き取り、離れ離れにさせるのは、良くないとされています。
と、なると、法律的な観点で判断してくれる場所で話合いをするのがベストだという事です。
何故、法律的判断が必要かと言いますと、妹さんのご主人は、自分が一番の自己中ですから、妹さんの意見などには聞く耳を持たず、自分王国の王さまです。
こういう人は夫婦で話し合ってもラチがあきません。
ですから公平な立場で第3者を入れて、なお且つ法的に見ても常識的な判断を出来る調停を選ぶしかありません。
しかし実際に心配なことは、この調停が始まるまでの、ご主人の攻撃です。
これには、地元の女性センターなどに前もって相談に行かれ、ＤＶに長けている弁護士を紹介してもらい、調停までの間は、妹さんやその子供たちに近づいてはならないという文書を発送してもらうようにしてください。
要は調停を申し立てたので、意見は調停でお聞きします、という宣言です。
ですので、まずは水面下で調停申し立てをして下さい。
そしてご主人に調停出廷の通知が届くのに、約ひと月くらいかかりますので、その呼び出し状が
届くまでに、妹さんは家を出るしかありません。
これは、荷物の事も含め、子供さんもいる中で、相談者様とかお母様の協力も必要です。
ただし、荷物の事は、なるべく身軽に手早く、家を出るための最小限に抑えます。
もしどうしても、持ち出したい大きな荷物があるとしたら、それは調停で話あいましょう。
ですから、持ち出す荷物は最低限の身の回りの物だけにしましょう。
逆にそうしなければ、ご主人は調停を始まる前にでも、いろんな事を口実にいちゃもんをつけてきます。
この場合、気持ちの話であれば、こちらに戻る意思がないという事を説明するだけで済みますが、
これが荷物と言う形を持つ「物」の話になれば、返せ返さないの事になり、ともすれば会わないといけなくなりますので、向こうから因縁をつけられる材料はなるべく作らない事です。

所で、相談者様は男性ですから、妹さんの本音をお聞きになっているか、ちょっと気になります。
もちろん、ここまで妹さんからお話をお聞きになっていて、本音があるとは思いたくないですが、実は女ごころというのは意外と複雑です。
実は、私が気になる部分は、第3子の事です。
まだ出産されて間もないという事ですが、結婚してから、ずーっと精神的ＤＶが蔓延した生活で、何故3子をお産みになったかという点です。

第1子、第2子は結婚して、夫の性質に疑問を持ちながらも、期待もしている時期かも、しれないのでお産みになったと思うのです。

しかし、第3子となると、妹さんの中でも、ご主人には期待はしなくなっていると考えられると思います。
もっと言えば、そういう関係の時には、セックスは受け入れなくなっていたり、またご主人もしてこなくなっています。
それでも夫婦ですから、そういう事になったとすると、それはレイプに近い状態で身ごもったという事も考えられます。
そうなると、変な話、妹さんは愛情も無くなっている夫の子供を産まない、という選択もあるのです。
でも、それでもお産みになったという事は、兄の相談者様には伺い知れない妹さんの本音があるのかもしれません。
私はあまり、好まない考え方ですが、女性には子供を産むという事で、夫との関係を取り戻そうとする方がいます。子はかすがいというより、子供を夫婦修復の願掛けの手段にするのです。

この場合、もし妹さんがそう気持ちが少しでもあったら、相談者様がお聞きしているのとは、ちょっと本音は違うかもしれません。

私は第3子を授かり、ただただ妹さんの優しいお気持ちで、授かった命を大切にされた結果、お産みになったと思いたいですが、もし万一、どこかご主人に変わってもらいたいとかを期待していたら、妹さんには、まだまだご主人に愛情があるという事になり、今後の相談者様のリードを受け入れるか、という心配をします。
もちろん、この愛情自体、ご主人のＤＶ支配のなせる技なのかもしれませんが、妹さんにその自覚がなければ、奪回作戦はうまくいきません。

そういう事で、妹さんの気持ちが相談者様と一体ですあることを祈ります。

そして、出来れば妹さんのお住まいのある女性センターにご相談をされますと、調停への進み方なども
アドバイスして下さると思いますので、一度、相談者様から、相談をしてみてください。
出来れば、相談に行かれる前に、自宅のリビングなどに、ボイスレコーダーを仕掛け、ご主人のモラハラぶりを録音しておかれる事をお勧めします。
そして、出来ればこれまでの妹さんやお母様を誹謗しているメールなども証拠物として、消さないで持って置いて下さい。最終的にご主人の言い訳をひっくり返す証拠になりますので・・・・。
ご健闘をお祈りしています。

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回答日時：2011年10月15日(土) 16:47 JST

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