慰謝料の支払いを検討してください

行政書士の石井章です。

こうした問題を考える場合、法律的な面から解説させていただくと、そもそも「動物
の愛護及び管理に関する法律」（第５条）によると、動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物を適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体もしくは財産に害を加える、又は人に迷惑を及ぼすことのないよう努めなければならない、となっています。

さらに、民法718条では、「動物の占有者は、その動物が他人に加えたる損害を賠償する責めに任ず。ただし、動物の種類及び性質に従い相当な注意をもってその保管をなしたるときは、この限りにあらず」としています。

つまり、自分の過失がないことを立証しない限りは、相手方に損害賠償（慰謝料の支払い）をしなければならないということを法律は規定しているということです。

飼い主側の不注意で、相手を傷つけてしまっていると考えられるますので、ケガの程度にもよりますが、損害賠償請求の対象になります。診断書や治療費の明細書がなくても、後遺障害が出たこと（1ヶ月以上たってからの痛み）を訴えているので、損害賠償を請求されてもしかたがない状況です。

法律家に相手方が相談していれば、飼い主の不注意から、傷をつけられているので、過失傷害罪が成立する可能性があるとの入れ知恵があるかもしれません。ちなみに、過失傷害罪は、30万円以下の罰金又は科料に処すということになっています。そして、民事上の損害賠償の請求として、１．治療費、２．通院交通費、３．休業損害、４．入通院慰謝料、５.物損（着ているもの）などを算定した損害賠償請求書を送りつけてくるということまで、考えおかないといけないかもしれません。

お母様の友人でいらっしゃれば、そこまでやらないかもしれませんが、小職がもし相手方から相談を受ければ、損害賠償請求書を作成し、示談書の作成をしてこの問題の解決にあたると思います。決して実費を支払うことで済む話ではありません。

ですので、医師の診断書や治療費がないので、話しに応じられないでは済まないことをご理解ください。

では、どうするかということですが、飼い主の過失がなかったことを相手にご説明し、30万円の慰謝料をお支払いする提案をされてはいかがでしょう。（相手がそこまでしてもらわなくともと言ってもらって、解決できればいいと思います。慰謝料の額はお考えになられて決めてください。30万円を受け取ってしまわれてから、高すぎたと後悔しても遅いですから。）

傷の程度にもよりますが、後遺障害が残らない程度なら一般的な損害賠償は、100万円以下という場合が多いです。詳しい事情がわからないところがありますが、診断書を提出させて、治療費と通院交通費を支払えば済むとお考えになるのは、やめられたほうが良いかと思います。

うまく話し合いで、折り合いをつけられて解決できることを願っております。

回答日時：2011年11月 4日(金) 15:04 JST

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