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回答プロ:心理カウンセラー 伊東 香
ご相談者:40代/男性
はじめまして!42歳の会社員です。宜しくお願いします。私は独身時代アニメにはまってDVDやフィギュア、原作小説をコレクションする所謂『オタク』でした。でも最初からそうだったわけではなく、30代半ばまでは、アニメには目もくれず、司馬遼太郎や池波正太郎の長編小説や中国の古典にはまってました。ある時、『若い時は大人の読み物を読み、大人になってからは若者向けの読み物を読んで気持ちを若く持つようにしなさい』という言葉に出会い、たまたま『ライトノベル』(主に高校生向けの冒険や恋愛を描いた小説)を読むようになりました。そしてライトノベルを原作とするアニメが深夜に多く放送されていることを知り、見るようになりました。これらのアニメは子供向けとは異なった青年期の悩みや葛藤、恋愛とかが巧みに描かれた作品が多く、受験に追われて学園生活を楽しめなかった私は忽ち虜になりました。結婚するにあたり、現実的に生きようとアニメのDVDやライトノベルはすべて処分しましたが、結婚後二年経ってもお気に入りの続編が気になってつい録画して観てしまいます。家内はアニメにはあまり詳しくないので基本的に私にはアニメを見てほしくないようです。私としては青春時代を追体験しているつもりで決してオタクに戻ることはないと思います。私って変でしょうか?どうかアドバイス宜しくお願いします。
40代/男性 | 日付:2011年11月 4日(金) 16:49 JST | 閲覧件数: 4,042
はじめまして、伊東です。ご相談いただきありがとうございます。
大人になっているのに、ライトノベルを原作とするアニメにはまってしまい、それは変なことだろうかと思っていらっしゃるんですね。ライトノベルは元来、中学生から高校生くらいを対象に書かれた娯楽小説、ということから考えると、世間一般的な感覚だと、Sさんがそう思うのも自然なことだと思います。
私のお答えとして、Sさんは変ではないと思います。
ご相談を頂いてから私も少し調べたのですが、ライトノベルといわれるものが世に出てきて、30年以上経った今、その読者層は広がってきていること。Sさんがおっしゃっているようにフィギュアなどの玩具化やアニメ化されたり、ゲーム化、映画化などのノベライズ作品も多く出てきている今、その対象をしぼることは難しくなってきたのではないかと思います。
頂いた文面からしか判断できませんが、現在アニメにはまることによって、生活に大きな支障が出ているようにはお見受けできませんし、ライトノベルにはまっている理由を、「受験に追われて学園生活を楽しめなかった」からだと、ご自分のことを見つめ、理解されています。自分のことを見つめることは、なかなか難しいことで、それを自然にされているSさんはすばらしいです。
『若い時は大人の読み物を読み、…』という人生を指南するような言葉からも、何かを学び取って、実際に自分に生かしてらっしゃるのです。これもなかなかできることではありません。人は年齢を重ねるごとに、新しいことをやる気力やチャレンジ精神みたいなものが減っていくことが多いように思います。ましてや、自分より若い人向けのことを受け入れるのは、時には難しかったりします。それなのに、目を向けることができているSさんは、私はすばらしいと思います。
ご結婚されるにあたって、コレクションを全て処分されたということですが、結婚を機に現実に生きようとされた、ここにはきっと奥さんへの思いやりからくる気持ちもあって、そうされたのかなと想像されます。相手のことを考えられるということは、すてきなことだと思います。
結婚することは、人生でとても大きな変化で、今までの生活がガラリと変わるのですから、時にはストレスになることも多いといわれています。その上に、コレクションを全て処分なさったことを考えると、その変化はSさんにとって、とても大きなものだったと思います。
このときにもし、現実に生きなければいけない、とか、そのためにはコレクションを全て処分しなければいけない、といった厳しい自分を律する気持ちが、Sさんに負担になるほど多かったとしたら、それはとてもつらかったのではないかと思います。
この「…しなければならない」という気持ちは、強く思えば思うほど、しなければ、という気持ちが強くなってしまうという、心のしくみがあります。そして、もし本当は「そんなことしたくないんだ」という気持ちがあっても、その欲求を抑えて、「…しなければならない」という気持ちに従ってしまうこともあります。これでは毎日、つらくなってしまいますね。
「結婚後2年経ってもお気に入りの続編が気になってつい録画して観てしまいます」とおっしゃっているのは、抑えている欲求が、おさえこまないでくれー!と訴えているように思います。
ここはひとつ、自分にOKを出してみてください。
アニメにはまっている自分、独身時代にコレクションをしていた自分、奥さんと結婚した自分、受験を乗り越えた自分、学園生活を楽しめなかった自分、司馬遼太郎や池波正太郎の長編小説や中国の古典にはまっていた自分、他にもたくさんあると思いますが、全部がSさんです。
どの自分も、世の中的な良い、悪いといった枠を超えて、これら一つ一つが自分なんだと、ご自分に知ってるよ、と伝えるのもいいと思います。ご自分のことを見つめられるSさんですので、スムーズにできるのでは、と思います。
奥さんは「アニメにはあまり詳しくないので基本的に私にはアニメを見てほしくないようです。」ということですね。
この文面からは、結婚生活にそれほど支障が出ているとは思えません。Sさん自身も、「青春時代を追体験しているつもりで決してオタクに戻ることはないと思います。」と考えていらっしゃいます。
でももしSさんが、そんな奥さんのことが気になるようでしたら、一度二人でお話になるのも、ひとつのやり方だと思います。
これは私の意見ですが、人それぞれ好きなものや、趣味は違うもの。結婚したからといって、それらが一緒とは限りません。あなたはこれが好きなんだね、とか、これはそれほど興味がないんだね、ということを知って認め合うことが、お互いの理解につながるのではないかと思います。長い結婚生活、二人で心地いい雰囲気の中、過ごしていけたらいいですよね。少し自戒がこもった意見になってしまいました。
ここまで、私なりの意見も交えて書きましたので、Sさんの心にしっくりこない箇所もあるかもしれません。その場合は読み飛ばして、これは自分にとって違うな、と思って頂ければと思います。
長い回答になってしまいました。ご相談ありがとうございました。
回答日時:2011年11月 5日(土) 17:13 JST
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お礼が遅くなり、大変失礼しました。実は現在体調を崩しているのですが、確かに大切にしていた物を手放した時は大変辛い思いをし、その頃から体の調子がおかしくなったような気がします。やはりストレスだったのかなあと思います。そして、『オタク』ってバレたらいけない。とか良い夫でなければいけない。とか、自分を厳しく律し過ぎていたように思います。体がどんどんこわばった気がします。これまでのあらゆる時代そして現在の自分にOKを出して少しずつ楽になろうと思います。もちろんアニメもラノベもまた楽しみたいと思います。伊東さんに御相談出来て本当に良かったと思います。どうも有難うございました。
| 40代/男性 | コメント投稿日:2011-11-07 |