相談&回答 |
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回答プロ: 花田 和隆
ご相談者:60代/男性
尼崎市内に住む者です。
家を建て直そうとしていますが、お隣が越境している部分があり、取り壊す際の問題となって困っています。具体的には地積測量図での境界鋲を、コンクリートで隠している部分があり、その延長地点に相手方の門塀が建てられています。
また、我家のブロック塀上の一部に、相手方の物置と思われる一種の小屋の片面が載っております。
今回の家の建て直しの際、新たなブロック塀の設置を予定している為、越境している部分の相手方の門塀、物置と思われる小屋の片面を傷つけることになります。
撤去をお願いしていますが、『現状のままで購入した。』、『購入した不動産屋はもう死んでいない。』と突っぱねられて、全く相手になりません。
また、『強引に門塀を撤去しても良いですか、ブロック塀上の小屋の片面を傷つけても良いですか。』と言うと、『勝手にしたら良い。』とも言っています。
地積測量図では、明らかな越境行為です。
上記のような状態です。
アドバイスと以下の点について御教示下さるようにお願い致します。
?コンクリートで隠されている境界鋲上のコンクリートをグラインダー等で削って、境界鋲を表面化してもよろしいでしょうか。
?ブロック塀を強引に破壊しても宜しいでしょうか。
?相手が応じるか否かは別にして、?門塀の撤去、小屋の片面を傷つけても良い。?との一筆をお願いしても構わないでしょうか。
よろしくお願い致します。
60代/男性 | 日付:2012年1月15日(日) 10:16 JST | 閲覧件数: 11,636
まず法律上のお話ですが、土地の所有権というものは土地の上下に及びます(民法207条)。そこで建造物の一部や塀などが越境している場合、損害賠償、場合によっては撤去を請求することができます。
>>>コンクリートで隠されている境界鋲上のコンクリートをグラインダー等で削って、境界鋲を表面化してもよろしいでしょうか。
?ブロック塀を強引に破壊しても宜しいでしょうか。
これについてはおすすめできません。確かに損害賠償、場合により撤去請求は認められているものの、自らが撤去するといういわゆる自力救済は認められているわけではないからです。※お隣さんの植えている木など植物の根っこが越境している場合は越境してきた分の根っこについては自ら切ってしまっても良いのですが、工作物となるとそうはいきません。
特に、撤去については常に認められているわけではありません。
過去岡山地方裁判所昭和43年5月29日「判事555号64頁」同条は境界線より50cm以上の距離を置いて建物を建築するべきことを規定し、これを違反した者に対して隣地所有者に建築の廃止や変更請求権を認めていますが、着工後1年系かまたは竣工後は損害賠償請求だけを認め、撤去は認めないという判例も出ております。(民法234条の類推適用)
仮に認められていたとしても、強制的に行ってしまっては後々お隣さんとの関係は更に悪化し、なんらかの嫌がらせなどがないとも限りません。
そもそもお隣さんとのトラブル(いわゆる相隣関係)はある程度話し合いで決めていくことを前提とし、それでも解決できない場合は民事調停・裁判に訴えるというスタンスになります。
その点で
>>>?相手が応じるか否かは別にして、?門塀の撤去、小屋の片面を傷つけても良い。?との一筆をお願いしても構わないでしょうか。
お隣さんに一筆取ってもらうほうがよいと思われます。更に欲を言えば公正証書にする方がより確実ですが、どうしても応じない場合はせめて一筆だけでも取っておくほうが後々トラブルを回避するという点で良いでしょう。
また、一筆もらったとしても「コンクリートで隠されている境界鋲上のコンクリートをグラインダー等で削って、境界鋲を表面化すること・ブロック塀を強引に破壊すること」が建築基準法違反する場合もありますのでこの点もその地域の土木事務所・改装業者さんと綿密に打ち合わせて違反のないように勤めることが大切です。
まとめると、まずはお隣さんから一筆をもらう。そして取り壊し等が建築基準法に違反しないか土木事務所・建築業者さんなどと綿密に確認することが近道ではないかと思われます。
撤去が認められたとして、その費用をこちらが持つという方法もひとつの有益な交渉材料になると思います。
ご参考になりましたでしょうか??
少しでもご参考になっておりましたら嬉しく思います。
回答日時:2012年1月15日(日) 12:14 JST
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早々にアドバイスして頂き有難うございました。
素人考えながら、境界鋲上のコンクリートをグラインダー等で削ることが、建築基準法違反する場合もあるなどびっくりしています。
土木事務所・建築業者などとしっかり相談して行いたいと思います。
さらに一筆取ってもらうこと、公正証書にする方が望ましい等のアドバイスもその通りに行いたいと思います。
いろいろなアドバイス有難うございました。
| 60代/男性 | コメント投稿日:2012-01-15 |