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回答プロ: 勝 桂子
ご相談者:20代/男性
初めまして
墓地の管理料についてお聞きしたいです。
現在、祖父が支払っておりますが、次に父親が支払うことになります。
うちは兄弟が3人いますが「一体誰が払うんだと・・・」
そんな疑問が共通して沸いて出てきております。
あとの2人の弟妹(ちなみに私は長男)は実家とは別に
既に就職し独立してます。独身ですが・・・。
そうすると家に残る私がすべて面倒を見ないといけないということになります。
今のお坊さんは父親の同級生で私も顔なじみなのですが
今のお坊さんだって正直寿命というものがあるわけですので
ずっとというわけにはいきません。
で、ここで問題が生じるのが新しいお坊さんを探さなければいけないのでは
ないかということになり兼ねません。
墓地の管理料も然り、これは話し合いで決定するのか、家庭裁判所とかの
公的機関が任命するのか良く分かりません。
話がずれますが、山の一角に土地も持っているんですがその固定資産税も
どうする?って事に現実なってます。
両親は誰かに支払ってもらうしかないと言っておりますが、あいまいな概念であって
しっくりこないのが現状です。
よろしくお願いします。
20代/男性 | 日付:2012年7月17日(火) 21:44 JST | 閲覧件数: 2,608
ryokojiさん、こんにちは!
お問い合わせ、ありがとうございます。
おじいさまがご健在ということで、ご相続等はまだまだ先のことになるとは思いますので、実際のときには法制度も変わってしまうかもしれませんが、現時点の法律制度のもとでは、という仮定で、お話しさせていただきます。
民法第897条[祭祀供用物の承継]
(1) 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継する。但し、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が、これを承継する。
(2) 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、前項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。
とあります。
最終的に決まらなければ「家庭裁判所がこれを定める」とはありますが、これは相続でモメた場合に、家事調停や審判で決まるということであって、どなたも継がないと言っているのに家庭裁判所がどなたかを任命するという趣旨ではなかろうと思われます。
現在の民法では、財産はきょうだいで均等に分けるのが原則となりました。しかし、お仏壇やお墓といった祭祀の承継については、分割したり売り払ったりできる性質のものではないために、長男が家督相続をしていた戦前の旧民法を引き継いだ形になってしまっているのです。
これにしたがえば、あくまでお父さまも含め、ごきょうだいでよくよく話し合っていただくしかないということになります。お寺のご住職もまじえて相談されるのが一番よいでしょう。
というのも、寺側は、承継者が途絶えることをもっとも嫌います(管理料が入ってこなくなる+すでにあるお骨は供養し続けなければならないので)。ですから、お寺のほうで、お子さんのいらっしゃらないrytokojiさんよりも、ご結婚されているごきょうだいのほうに継いでいただきたい、と明言される場合もあるでしょう(お寺の度量によります)。
また、お寺のご住職に跡取りがいらっしゃらない件については、ryokojiさんのご心配なさる問題ではないと思われます。
通常、宗門から別の僧侶が派遣されてくるか、単立寺院としてどなたかが引き継ぐかということになろうかと思われます。ただ、この点についても、ご心配であればご住職に「どのようなおつもりでいらっしゃるのか」は尋ねておくべきですね。
ご先祖の位牌をどなたが供養してくださるのか、ということは檀信徒にとって重大な問題です。管理料を払っているのですから、そのあたりは電話でアポイントメントを取られて、気軽にお尋ねして構いません。
また墓地ですが、近年は、承継の必要がない「納骨堂」や、樹木葬墓地も出てきております。
たとえば、いまあるご先祖のお骨を33回忌まで法要していただいたあとは、どうなるのか。お寺に尋ねてみてください。承継される限りはそのままという場合もありますが、多くは、境内の永代供養墓に移されてゆくと考えられます。
もしもごきょうだいでどなたも継げないということであれば、ご先祖の遺骨とお位牌については永代供養料(数十万円~数百万円までお寺により幅があります。お父さまやご住職とよくご相談されてください)をお納めし、ryokojiさんに関しては、管理の必要がない樹木葬や納骨堂を契約するという方法も考えられます。
樹木葬の例
・エンディングセンター
http://www.endingcenter.com/
・花小金井ふれあいパーク
http://house.biglobe.ne.jp/ohaka/detail/1152376000-000205/
山林の固定資産税については、どなたも収めず、そしてどなたも受け継ぎたくないのであれば、いずれ国庫に没収されることになりましょう。
活用するすべがなく、むしろ固定資産税で日常の生活が圧迫されてしまうような状態になるのであれば、放置でも構いません。
もしも、お父さまがそうしたくないとおっしゃるのであれば、他の不動産も含め、その部分の固定資産税を捻出できるだけの活用方法をご一緒に考えていただきましょう。
寺というのは本来、からだのこと、ご心配事、就職のことから生きかたについてまで、いろいろなご相談をしていい場所です。
いまのご住職がどのようなかたか存じあげませんのでなんともいえませんが、若い僧侶でも、檀信徒であるかないかを問わず、そうした相談に応じている人も大勢います。
どうぞネット上でお困り相談をされる前に、一度お寺をたずねてみましょう。
電話でアポイントメントをとってうかがうもよしですが、どなたもいらっしゃらなくても、本堂でご本尊と向きあい、泣けるまで佇んでみるだけでも、心の問題を含め、いろいろなことが解決します。
また、ご自宅の鎮守の神社などでも、癒されることがあるかもしれません。
ご先祖代々、その場所でいろいろな悩みを解決されてきたことと思います。
思うに、ryohojiさんは、こころの問題(これは脳という臓器から起こる問題なので心療内科で解決すべきでしょうが)も抱えていらっしゃるのではありましょうが、魂世界のお話(遠い過去からいのちはつながっている、というような感覚。来迎図をみて、「精いっぱい生きて、死んだらお迎えがくるんだ」と思えるような安堵の感覚)のほうを欲していらっしゃるのではという気がいたしました。
菩提寺があまり対応してくれなければ、お近くで相談に乗ってくれる寺院などをご紹介することもできます。必要であれば、私のHPの問い合わせフォームから、同じハンドルネームで地域をお知らせください。
回答日時:2012年7月18日(水) 09:10 JST
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ご回答ありがとうございます。
両親を含め兄弟で話し合うこととします。
寺側は、承継者が途絶えることをもっとも嫌うのは意外でした。
実際、今のお坊さんは父親の同期でもあり、私の高校のときの教師でも
あった存在です。身近な存在というものでしょうか。
とにかく私に出来る事(今は療養する事しか出来ないですが)があれば
少ないと思いますが徐々にやっていきたいと思います。
| 20代/男性 | コメント投稿日:2012-07-18 |