静かにご主人の後姿を見つめましょう。

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

ハワイさん、本当にお気持ちはよく分かります。
何十年も前の事ですが私も元夫の様子がおかしいと思いながら、日々その気持ちを自分で打消し、信じてみようと自分に言い聞かせて・・・・・でもいよいよ不安に駆られて元夫のカバンの中を盗み見た時は、ガタガタ体が震えたものでした。
その記憶が本当にリアルに引き出せるのですから、深い傷になっているのだと思います。

でも、私はハワイさんの先輩ですから、同じようになって、現実を恐れているだけでは問題解決になりませんから、耳に痛いアドバイスをお聞きください。

まず最初に、ハワイさんにはややショックな事を申し上げます。

信じたいという事と、信じられるかどうかは全く別なのです。
ですから今のご主人を信じる方法を聞かれても、本当に信じて良い段階かどうか、ここに書かれてある事だけでは判断できません。

ただ、どちらか分からないなら、疑って猜疑心の塊になって生活をするよりも、もし浮気が繰り返されたら、その時はその時。
もしその時に手遅れであっても、今現在疑いながら楽しくない生活しても同じ事が起きるなら、
もう何も疑わず楽しく過ごしましょう、という考え方もあります。

私の所に来られる夫で、何もないのに毎日疑われ、苦痛でしようがない。
同じ疑われるなら、いっそ本当に浮気をしてやろうか、という人もいるのです。

でもまたその逆で、夫を疑ってもその度にうまく否定されるので、信じてしまって、本当に事実が分かった時には手遅れになったという妻も多いのです。

こういう事から考えると、いくら信じても浮気をする人はする。
でも一度過ちを犯すと、二度としない人だっている。
つまり、妻の頑張りとか、努力は必要かもしれませんがむしろ、夫の人間性と言う物の方が
今後の生活を決定するものではないだろうかと私は考えるのです。

確かにおっしゃるように、妊娠中は夫の浮気の引き金になる事は多い。
でも、むしろそれはきっかけにしかすぎず、どんな状況でもしない人はしないですし、
妻の悲しむ姿を見て頭を打つ人は打つし、何度妻を泣かせても懲りない人は懲りない。

と、いう事は今後起きるかどうか分からない夫の浮気にビクビクしながら生活するより、
ご主人の人間性を見つめた方が、ずっと対策は取れると思うのです。

私がこれまでの相談者の妻に、少しはご主人の行動を観察するようにと言っても、ご主人の言葉を鵜呑みにするのです。
観察することイコール疑う事ではありません。
疑うと思うから罪悪感が起きます。
確かに観察する中で、時にはご主人の携帯電話や車での外出先も気になる所です。

でもこれは妻ならば当然の関心の範囲と言っていいでしょう。
言わば、車のシートベルトと一緒です。
事故がいつも起きるとは限りませんが、万一の事故に備え、シートベルトくらいはしておこうという事で、事故が起きなかったからと言って、だったらシートベルトを締めなくてもいいじゃないかとはなりません。
そういう考え方をしてほしいのです。

さて、それでハワイさんのご主人がどういう人間性でどういう、自己ブレーキを掛けられる人か、この相談内容だけでは、ちょっと分かりません。
何故なら、それはハワイさんがご主人を信じたいという気持ちを満杯に持って書かれた内容ですから、もしかしたら過信している所があるかもしれませんし、逆に心配するほどの事はない方なのかもしれないのです。
つまりこの相談内容に、偽りがあるとは思いませんが、どれだけ正しい眼鏡でご主人を見られたかと思うのです。

浮気をしたカップルが別れる理由って何か分かりますか？
たいてい、妻や夫にばれたからと答える方が多いのです。
脅かす訳ではありませんが、本当に一番多い別れの理由は、飽きか喧嘩別れです。
最初は多少喧嘩をしても、それがまたスパイスとなって結びつくのですが、段々付き合いに飽きが出てくると、喧嘩も増え、あっけなく別れがきます。

これは夫婦も同じで新婚の頃は喧嘩をしてもなんとか仲直りの努力をしますが、結婚生活も長くなると、喧嘩はより、辛辣になってきます。
でも、夫婦は子供もいる為、それを乗り越える事になるのですが、不倫のカップルは、刺激的な事で結びついているので、刺激がなくなったら、意外とあっけなく別れる事になります。

そういう事で、妻にばれたからと言うのは、カップルには余計に道ならぬ恋になり、逆に秘密の世界にどんどん入る為、刺激的なのです。

しかし、ハワイさんの読みでは、現段階では不倫（肉体関係を伴う）ではなく浮気どまりだという事ですので、私の心配するような事はないと思われるでしょう。
ここが少し私には懐疑的なのです。

あのような内容のメールと言うのは、そういう付き合いに限りなく近いという事です。
お互いが高校生くらいの年だといろんな勇気も必要ですが、ご主人は結婚もして、そういう付き合いに入るには、何も勇気は要りません。それが理性でだけ抑えられつものではないという事を、私は知っています。
避妊具を話題にする段階まで行っている付き合いだとすると、このハードルはあっけなく超える事ができるのです。

だったら、今後どうしたらいいかというと、そこで観察という事が必要になってくるのです。

ハワイさん、ハワイさんは恐らくご主人にどう接していけばいい奥さんと思ってもらってもらえるだろうかと,心の向き合い方を私に問いたかったのではないですか？

でも私はその部分ではハワイさんはもう出来ていると思います。
妊娠中にも関わらずご主人の気持ちに添うように、努力されています。
これはとてもいい事です、一度の問題定義でここまで気づかれた事は大したことです。

でもこのハワイさんのお気持ちをご主人が本当に理解されたか、私は今は分かりません。
そしてハワイさんも本当はご主人が本当に反省したかどうか解っていないから不安になっているのでしょう。
そうです、人の気持ちはそんなに簡単に分かりません。
だから不安であればこそ、余計にそこに蓋をしてはいけません。
ハワイさんは本当は私にご主人との向き合い方よりも、今のハワイさんの不安を解消してもらいたかったのではないですか？
とても非常な答えですが、魔法の杖を振り回し、呪文で人を変えられたらいいのですが
残念ながら私は魔法使いではありません。

夫を変える薬のようなものがあればいいのですが、そんな新薬はどこにもないのです。

ご主人は生身の人間ですから、必ず何かあれば行動に表れます。
言葉は何とでも言えますが、行動は嘘を付けません。
帰宅時間が遅くて、残業だと言っても、遊んで帰ってくれば小遣いが跳ね上がります。
休日に仕事の出勤だと熱心に仕事をすれば、恐らく休日手当というお給料になって現れるでしょう。時間は口実に使えても、必ず何かしら結果が出るはずです。

疑うとなると気の悪い物ですし、それを言葉に出して疑うとご主人は言葉で応酬するでしょう。
でも黙ってじーっと観察していると、色んな事が見えて来ます。時間と言葉とお金の使い道とそれらを総合的に判断してください。
ご主人に言葉で問うと、言葉で誤魔化されるという事もあるのです。

だから、今は言葉に重きを置かないでください。
話せば嘘をつかざるを得ない事があります。
言葉は建前、行動は本音。

携帯をロックしたら危険信号だと思いましょう。
携帯を肌身離さず持ち出したら注意しましょう。
今までしなかった筋トレやジョギング、たばこを買いに出かけるにも携帯持参はちょっと怪しい。
おしゃれに気を使いだしたらそれもチェック。


黙って観察したら・・・・・話さないからこそ見えてくる物もあります。

過去の私は自分の不安から、元夫を疑う気持ちに蓋をしました。その方が楽だったのです。
その結果とは申しませんが、今、私は離婚をして一人です。
今の分析力がその時代にあれば、少なくとも離婚には至らなかった可能性もあります。
離婚をしたことは後悔していませんし、だからこそこの仕事をしている喜びはあります。
でも、もう少し怖がらずその時々で解決をしていたら、今は平凡な主婦の生活があったかも、と思うと、これからお子様を育てようと言う方には、是非シートベルトはしていてほしいともいます。正直、今のご主人は、まだまだ危険因子を含んでいると思います。

それでもハワイさんは自分の眼力に自信がないと思えば、いつでもご相談下さい、
非公開相談なら、もう少しご主人の事を分析出来るかもしれません。

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回答日時：2012年9月13日(木) 20:48 JST

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