離婚が大変というより、決める事が大変です。

夫婦問題カウンセラー 村越 真里子

リンティーさんの相談タイトルが「離婚って大変か」という事ですよね。
これは恐らくリンティーさんは　離婚が楽だという答えは期待していないはずです。
では何故ご存知のはずの事を聞くのかというと、背中を押してほしいか、やめておけと言ってもらいたいかどちらかですよね。
背中を押すには離婚は大変だというと、決心は変わりますか？
それとも、大変だけれど背中を押してもらいたいですか？

要するに離婚が大変なのではなく、離婚の決意をすることがリンティーさんには大変だという事です。
では
離婚の何が大変かと言うと、やはり生活していく事です。
リンティーさんがどういったお仕事をされているかは分かりませんが、基本的には働かないと食べてはいけません。
誰もが離婚を考える時に、夫に財産を分けて貰ったり、慰謝料を貰ったり、養育費を貰ったりという、「貰う」という事が叶うならば、という事が前提です。
もちろん、これが順調にもらえる相手ならば問題ないのですが、今の世の中、多少のお金をもらっても、そのお金を切り崩すだけではすぐに底を尽きます。
そういう意味で、それはそれとして誰もが働かなくてはならないという事が大前提になります。
ですので離婚の決意は　自立の決意。
自立とは自活の事。
つまり離婚を決意するという事は　リンティーさんが働いて生活をしていけるか、という事です。
もちろん子供さんの養育の事もありますので、女性の細腕で子供三人を育てるのは大変な事。
でも幸い、お子様方はもう巣立っていく年齢です。
もし多少学費は掛ってもそれはもう数年でしょう。
それくらいはご主人も払う義務はあるでしょう。
この交渉は調停という事で、決める事は出来ます。
しかし肝心な事は子供さんが自立をされたら、リンティーさんこそ、自立をしないとならなくなるのです。
人生80年だとしたら、あと30年位は自分で生きていくという事です。
これは金銭面の事だけではなく、健康面の事でも自分で自分の面倒を看られるか、という事です。
このように考えると、脅かしてばかりいるようですが、これを逆から考えて見れば見えて来るものがあります。
年老いて、子供も巣立った後、ご主人がもしご病気になられたら、リンティーさんはご主人の下の世話を出来るか、という感覚です。
もう、とてもじゃないけど夫の面倒は看たくないという事も一つの判断基準です。

しかし、それよりも何よりも、離婚後のイメージが今の状況よりは「まだまし」だろうと
いう事です。
つまり人間は今の状況が１００％耐えられないなら、そこから逃れようとします。
でも離婚後の生活をイメージして、経済的に今の方がまだましというなら、離婚をすることは避けたいでしょう。
またその反対で、もし貧乏をしても今の精神的な苦しみよりはましというのであれば。
それは心の開放を求めて離婚をする事も間違いではないのです。
リンティーさん、色々な事を比較してみては如何ですか？
ご自身のタイプを考えて、気持ちの自由を優先するなら多少生活が苦しくても、経済的な苦労は絶えられるでしょう。
でもどんだけ考えても、この年齢から生活の為に働くなんて耐えられないと言うのであれば
離婚ではなく、別居という交渉をしてみてもいいのかもしれません。

ご主人は職人さんで、言葉は荒い人なのかもしれません。
しかし、音は真面目で、今はギャンブルも止め、一生懸命に働く人なのかもしれません。
そんな中、奥様へ優しい事も出来ず、気も利かない野暮なタイプで、それを指摘されると
カーと頭に血が上る不器用なタイプだと思うのです。
ご主人の言葉だけを捉えると、なんてひどい事を言うのかと思いますが、私はここに書いてある言葉を逆から読んでみると、「俺を置いて出て行かないでくれ、リンティーさんを自由にさせると出ていくかもしれないからお金も取り上げ、兵糧攻めにしてやる」という風に取れます。
と、言う事はご主人の言動だけを捉えると酷いと思えるのですが、逆を考えるとこんなひどい事を言ってでも、離婚を阻止したいという気持ちがアリアリです。

本当に現状が耐えられないなら、人は誰に相談もせず、着々と離婚の準備をします。
リンティーさん、離婚は難しいか？と聞く人は、実はまだそんな段階まで気持ちが熟していないと思うし私はまだリンティーさんはその覚悟は出来ていないと読みます。

ご主人を更生？させるのは難しいけれど、リンティーさんのご主人に対する解釈を変えるだけで、離婚という最悪の選択を避けられるかもしれません。
これまでの酷い出来事を私は全部知る由はありません。
それはそれで辛い出来事はあった事は分かります。
例えば成田離婚の件ですが、多くの方が新婚旅行で喧嘩をされるようです。
逆に言えば新婚旅行は喧嘩をするものなのです。
何故かというと、新婚旅行は男性のリーダーシップを発揮できる晴れ舞台なのです。
でもそれは女性側からの見方であり男性はそんな力がある方ばかりではありません。
例え、英語や外国語はしゃべれなくても、異国の土地で勇ましく妻をリードする夫を期待しますが、実は夫も海外旅行にどきまぎしているのです。
それを女性は、口に出さずとも男性は女性や旅行をきちんと仕切れるものだという決めつけがありますから、夫婦二人で相談するつもりでも男性は、妻から質問されただけでも、夫の力の無さが試されているように感じるのです。
もし、旅行中に何か迷うような事があれば男性は、それを解決できるものだという決めつけが妻にあったりすると、夫は自分にダメ出しをされているようで、それをほじくってくる妻にイライラするのです。
それほど、男性って女性が思う以上に、プライドが強いのです。
でも妻は別にそんなリーダーシップを望んでいないかもしれない。
もしかしたら旅行中も、道に迷って地図を広げて人に道を聞くのも楽しい思い出になるかもしれない・・・・そんな風に気軽に考えているのに、男性はとにかくイラついているのです。

リンティーさんのご主人との旅行に何があったか知りません。
でも、基本はそういう事なのです。
とかく女性は、夫だったらこんな風に解決するはず、とか、夫だったらこんな問題は解決するべきだと考えています。
それを口に出さずとも、心の中で考えているとちょっとでも夫が期待外れであれば、そこへの失望感は顔に出ます。
特にご主人のようにプライドのある方は、それだけでダメ出しされた感じを受け、とてもそこに反発します。
ご主人は威厳を保つ為に必死で踏ん張っています。
リンティーさんが考えているような、強い人ではないのかもしれません。

とかく人間は　私だったらこうするのに、何故この人は～そうできないのか、と考えるようです。でも自分と相手は同じではないのです。
私ならこうするのに・・・・という事が頭にあると、相手がそれと違った場合には、その相手を否定するような気持ちが湧いてきてしまいます。
だから、私だったらこうするのに、という前提を外し、自分と相手とは全く違いのだという
考え方を常にすると、相手も態度は硬化させません。

離婚をするかしないかより、まず一度、こういう考え癖がリンティーさんになかったか、考えてみて下さい。
夫婦はなんでも話し合い、合わない部分には相談し合いという仲良さを求めますが
男性はいつも自分を試されているように考えているのです。
リンティーさんが思うほど強くもなければ、大きくもない。
言ってしまえば、小さい生き物だのだと思います。（男性諸君、ごめんなさい！）

ご主人のタイプと言うのは身近にいるリンティーさんの方が意外とわかっていないというより男性とか、夫はなんでも解決し、妻の要望に男らしく答えるべきだという期待がある事は分かりますが、そういう期待がある限りご主人からすると、妻とは緊張関係しか生まれません。

私がご主人の事を全部は理解できているかどうかはともかくとして、少なくとも私は男性という生き物という観点から見ています。
意外と近い人が一番見えていない面があると思います。
ご主人への見方をちょっと角度を変えて見てみませんか？

離婚が大変かどうかより、離婚を決意する過程が大変なのです。
離婚云々を考えるのは、もっとその先にあるものだと思います。もう少し頑張ってみて下さい。

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回答日時：2012年9月29日(土) 16:55 JST

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