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無気力な浪人生の息子

ご相談者:40代/女性

今年もすでに2校落ちました。
家でも勉強をしなくて、ゲームをしてます。
将来もどうしたいのか、希望がわかない、何をしてよいかわからないと言ってます。

家庭環境は母子家庭で、私は朝早く仕事に行きます。
予備校は時々休んでいるようです。
小学生の時に主人の借金問題で、離婚するした後、家に一人で過ごすことが、
多かったのですが、私もしんどい思いをさせたとすまない気持ちで、厳しく育てませんでした。

どうしたら、前向きに生きていくようになれるでしょうか?

40代/女性 | 日付:2013年2月15日(金) 21:25 JST | 閲覧件数: 2,446

前向きに変化するための、「下地作り」から始めてみてください。

公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ 増田 進明

ご相談ありがとうございます。

文面から、いくつか提案させていただきたいと思います。

1) 将来どうしたいのかわからない、何をしてよいかわからないことについて

 「多数派と少数派」という視点で考えると、世の中たいていの場合は、多数派にいればとりあえず安泰で、少数派は様々な意味で不利だったり、しんどい思いをすることになります。
 将来のことがあまりイメージできなくても、ひとまず多数派である「大学進学」をしてから、その先を模索していくというやり方もありますので、まずは進学を目標にしてみてもかまいません。
 本人に「まずは多数派に入っておくことが大切だよ」といったメッセージを、タイミングを見て伝えておくことは、本人が変わるきっかけをつかむ上で、ひとつの布石にはなろうかと思います。

 とはいえ、なんらかの目標があるとより良いと思いますので、情報収集してみるのも良いと思います。
 月並みですが「13歳のハローワーク」の公式サイトや書籍を見たりして、「こういう仕事もあるのか」といった見聞を広めることは、今のうちにしておく価値があります。もしかすると大学進学だけが道ではないかもしれません。


2) お母様の本人とのかかわり方について

 お母様は離婚等で本人に苦労させたという引け目を感じてしまっている部分がおありなご様子で、きっとお優しい性格なのだろうと拝察します。
 ただ、親の役目を一言で言うとするならば、「子供を自立させること」ですので、今まで苦労させたからあまり厳しく言わないでおこう、ということが自立の妨げになっているのであれば、本末転倒になってしまいます。
 ですので、「支援をすること」と「その場の一時的な楽をさせてあげること」の違いについて、親子で共通認識を持たせておきたいところです。
 「母親として息子の自立や幸せへの手助けはするけど、その場その場の楽をさせてあげることとは違う」「それでは今は楽でも後で苦しくなるだけ」というメッセージを伝え、「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」と問いかけてみてもよいのではないかと思います。
 そのときの本人の反応がどうなのかはひとまず気にせず「そうかそうか、それが今の考えなんだね」とスルーしてしまってかまいません。
 ご子息を見て、ずるずると安易な方向に進んでしまっている感じがあるのなら、本人に自覚してもらう意味でも、親の気持ちをはっきり伝える必要があるかもしれません。


3) 希望がわかないことについて

 これは①「良くも悪くも現状に満足」しているという気持ちの裏返しかもしれません。今の生活でとりあえずただちに困る事態にはならないから、つい続けてしまっている感じです。
⇒ その場合は、2)のように、本人の自覚を促すかかわりが必要になると考えます。

 一方で、②今まで自分なりにがんばってもできなくて、すっかり自信を失くしてしまい、「どうせだめだ」といったあきらめの気持ちや、「わかっているけど、できない」といった焦りもあろうかと思います。
 この気持ちが強い場合に、2)のようなかかわり方ばかりしていると、かえって本人を過度に追い込むことになってしまいますので、留意が必要です。
⇒ むしろ本人のそのような心情に寄り添った、受容的なかかわり方をした方が良いと思います。

 本人のこころの状態が①なのか②なのか、どちらもある可能性がありますし、あるいはまた別の原因があるのかもしれません。
 また、お母様と本人がどの程度対話ができるのかが文面から読み取れませんが、もしある程度話し合うことができるのであれば、まずは①や②に対応したかかわりをしていってほしいと思います。


4) 前向きに生きていくことについて

 前向きさや、楽観的な考え方は、「学習性」のものであるとされています。
 これは、持って生まれた才能といったものではなく、日ごろの出来事(周囲の環境等)に影響されたり、日ごろの心がけ(本人の努力等)の結果、すこしずつ身についていくもの、ということです。
 反対に、楽観的でない考え方についても同様のことが言えるのですが、まずは1)~3)のようなことから始めていき、前向きに変わってもらえるような「下地」を作ってほしいと思います。
 あとは本人の変わるきっかけや、タイミングを待つということになろうかと思いますが、親心としては、この「待つ」というのが大変なことなのかもしれません。


 今後も疑問や悩み(たとえば「今のこの子にどういうかかわりをしてあげれば良いんだろう?」)で不安や焦りを感じることがあろうかと思います。
 そのような場合のサポートや、私が本人と面談させていただく等、もっと踏み込んだご協力ができるかもしれませんので、必要があればぜひまたご連絡ください。
 長文読んでいただき、ありがとうございました。                増田 督

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回答日時:2013年2月21日(木) 12:50 JST

大変有意義なご意見をいただき、ありがとうございました。
お礼が遅くなり、申し訳ございませんでした。

大学の進学は2浪目になることが濃厚ですが、息子本人は大学に行きたいと
希望したので、日常の生活の見直しから改善して行きます。

| 40代/女性 | コメント投稿日:2013-03-02 |

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公認心理士 / スクールカウンセラー / 研修講師 / コーチ
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