過去の安心や良い思い出を一滴ずつ注ぐように、思い出してもらってください。

トラウマ(心の傷)とPTSDの専門家 百世 安里

こんにちは。
トラウマとPTSDの専門家、百世です。

お待たせしてしまって、ごめんなさい。

重たいご相談ですね。
ご主人にとっても、お子さんにとっても、ご親戚にとっても。

ですので、感情にまかせて行動されないこと、
なにより「ご主人さまとお子さまのお気持ちを第一に」お考えいただくことを
お約束いただけますか。


残念なのは、なぜご主人と浮気相手を近づけてしまったのかです。
なんとしてでも守らなくてはならない秘密でしたのに。
あなたの中で秘密を抱えているのが重い、
話して許してもらいたいという気持ちもあったかもしれませんね。


ご主人がメンタルクリニックへ行きたがらないのは、
この事実を話さなくてはならないのが、ツライことと思います。
事実を受け入れたくないのです。

私は不妊が長く、同じような不妊に悩む方々と話していて共感したのが、
なかなか不妊の本を買えなかったことです。

本を買うということは、自分の不妊を認めることのようで・・・。
わかってはいるけれど、心が抵抗していたんですね。


けれども１人で悩むのはつらいですし、ご自身を追いつめてしまう恐れもあります。

苦しんでいるのはご主人さまとはいえ、
まるで「ご主人自身の問題」のように、受診を勧めるのはどうなのでしょうか。

これは本来、あなたの問題ですよね？
ですので、まずあなたが受診されることをお勧めします。

事実関係をあなたがカウンセラーに話し、
このカウンセラーは自分たちのことを理解してくれる、信頼できる、
夫とも話があいそうだと判断できたら、ご主人に受診を勧めましょう。

ちなみに、薬は一時的に症状をおさえるだけで、
治すものではありません。
むしろ、薬漬けになって中毒になってしまうケースも多いので、
薬を出さないカウンセリングを探されてください。


PTSDには、トリガーという心の苦しみの引金があり、
今はあなたとお子さんが、ご主人にとっては引金になっています。

でも、離れたり別れることは、ご主人にとって、
これまでの人生を捨ててしまうようでつらいですし、
なによりお子さんと離れると、男性の孤独感でガクッとうつになりがちです。

しかし、トリガーが常にそばにあることで感情が混乱して
ご自身を苦しめています。


では、どうすれば、ご主人さまに快復してもらうことができるでしょうか。
ポイントは、次の4点です。

●お子さんとの関係
ご主人にとって、お子さんとの関係がとても不安なことでしょう。
血がつながっているかどうか、
確かめたい気持ちと、確かめたくない気持ちがあるはずです。

ここで、「血」よりも「関係性」「13年間過ごして来た時間」の方が
ずっと重くて価値のあることだと、認識してもらいましょう。

「この子にとって一番大事なのは、あなただけ！」と、
お子さんとの関係に安心感や自信をもってもらう言葉をお伝えください。


●謝罪
「過去の過ちは、全面的に私に非がある。
謝って済むとは思っていません。一生をかけて、どんな償いでもします」

まず、ご主人に悪いところがあって浮気したのではないこと。
そして、こんなに大きなことを「謝って終わり」にされたら嫌ですよね？
もちろん決して許されることでもありません。

しっかり反省し、今後、"長期に渡ってつぐなう"決意をお伝えする。
時間をかけていい、長い目で修復していくことを
お互いに共有すると安心できますよ。


●愛情と夫婦の時間
「しかし、その後10年以上、私はあなた一人を心から愛してきた。
そのことは、私は自信をもって言える。」

「（ご主人に）信じてほしい」という言葉は使わないでくださいね。
だって、裏切ってしまったのですから。
"相手に行為を求める"言葉は、責められているようで苦しいですから。

浮気をやめた後、10年間のあなたの愛や夫婦関係に偽りはないこと。
ムダでも意味がないものでもない。素晴らしい時間だったはずです。
その10年間を思い浮かべながら、お伝えください。


●感謝
「あなたのおかげで、この13年間こんなに幸せに過ごさせてもらったことを
毎日、心から感謝しています。ありがとう」

浮気されたこと、だまされてきたこと、ご主人は何も信じられない気持ち、
自分には力がないと感じています。

ですから、「ご主人の力」を再認識させてあげる言葉を使ってくださいね。
「あなたのおかげ」「感謝してる」と。
特に男性は、自分の力に敏感で、
存在意義のよりどころになる大事なポイントなのです。


夫婦の間でこういった言葉を言うのは、照れくさいかもしれません。
けれども、あなたがそれをすることで、
ご主人さまの心がどれだけラクになることでしょうか。

それはどんなカウンセラーよりも、
あなたにしかできない、大切な言葉です。

一度でなく、毎日のように伝えてください。
そしてご主人に、この10年間の夫婦関係や親子関係が
愛のある充実したものだったことを思い出してもらってください。


いま頭の中が嫌なもの、受け入れがたいツライことでいっぱい。

だから、過去の安心や良い思い出を一滴ずつ注いで、
コップの中の濁った水を、
少しずつ元のきれいな水に戻していきましょう。

感情の吐き出しが必要でしたら、
いつでもワークショップにいらしてください。
健康的に発散できますよ。
http://www.mental-support-jp.org/#!trauma/comt


あなたの誠実なお気持ち、そして言葉かけで
きっと修復できると信じていますよ。

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回答日時：2013年7月10日(水) 12:37 JST

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