毒薬混入は心配ないと考えて大丈夫＾＾

宇多川 久美子

　ご質問、拝見しました。

　まずは、破傷風の予防接種についてお話しますね。

　破傷風の予防注射は乳幼児の接種が一般的ですが、動物に咬まれたりしたときにも、接種が推奨されています。
　
　予防接種は通常、3回の接種（筋肉注射）をします。
　1回目の接種から1ヶ月後に2回目、1年後に3回目の接種を行います。
これは、（有効）免疫と免疫記憶という抗毒素の作用機構に基づくものです。

　通常、1回の接種では抗毒素は作られず、免疫効果は得られません。
2回目で抗毒素が作られ、免疫が成立しますが、1年ほどで有効水準を下回ってしまいます。
　そこで一年後に3回目の接種を行うと、基礎免疫が備わり4〜10年ほど免疫が得られます。
　免疫記憶は25〜30年ほど残るので、その間であれば、1回の予防接種で免疫が成立します。免疫記憶が失われた場合は、最初からやり直す必要があります。
　
　ご心配の毒薬についてですが、しっかりカギのかかる場所に保管されており（薬事法で定められています）、万が一、持ち出されることがあっても、それが注射液に混入されることはありません。
　
　注射薬の製造過程は、厳しい管理の下、徹底した衛生環境で作られるので、誰かが人為的に毒物を混入するようなスキはないと考えていいでしょう。

　ご相談の3回目の接種についてですが、今回接種しなくても昨年犬に引っ掻かれたことによる発病はありません。3回目の接種はこれからの基礎免疫を備えるためのものです。
　
　同じようなことが起こることを想定するなら、3回目を接種することで4～10年は免疫が備わっていますので、また引っかかれたとしても免疫が成立していますので、注射をする必要はありませんし、３回目を接種しておけば、今後25～30年以内であれば、1回の接種で済みます。
　
　ご心配のような毒物の混入はありませんので、接種されるときは安心して受けてください。

　以上のことを参考に3回目を受けるかどうか決めてくださいね。

回答日時：2013年9月27日(金) 18:52 JST

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