気持ちをできるだけ「細分化」すると心が安定しやすくなります。

公認心理士 / ｽｸｰﾙｶｳﾝｾﾗｰ / 研修講師 / ｺｰﾁ 増田 進明

「学校に行きたい気持ちはあるのに、なぜか行けない」という状態で苦しんでいるのですね。
実は私が面談する生徒も同じような悩みを抱えている方がとても多いのですが、今やれることからひとつずつ進めていくと、やがてトンネルの出口に明かりが見えてくるような感じになって、だんだん楽になってきますので、あなたもすこしずつそのようになっていってほしいと思います。


学校に行きたくても行けない人の中には、家の玄関のドアを開けるときや、校門を通過するとき、教室に入るときなどに強い不安や緊張を感じてしまうものの、そのときさえなんとかなればあとは問題なく過ごせる、という人がいます。
そのような場合はそのときだけ一時的になんとかするやり方があるにはあるのですが、あなたの場合はそれをやってみるよりも前に、まず自分の気持ちの「細分化」をしてみた方がよいと思います。

大きくわけて２つのことについて、自分のこころの中を確かめてみてほしいのです。

ひとつめは、
学校に行くときに、ほぼ自動的に湧き出てくる「抵抗感」のようなものがあると思うのですが、それはどのような考えや気持ちでしょうか。
たとえば、「もうずっと休んでしまっているから、今さら登校したらクラスの人に変に思われるに違いないといった考え」だったり、それとは違う考えかもしれません。

ふたつめは、
「不安しかない」という気持ちについて、どのような不安があるのでしょうか。
たとえば、「このままで進路はどうなるのか、という焦りの気持ち」、「親しい友だちと疎遠になってしまうのではないかという不安な気持ち」といったものかもしれませんし、それらとは違う他のものかもしれません。

「なぜか行きたくない」「不安しかない」といった漠然と心の中に広がっている感じのものを、箇条書きで良いので具体的に書き出したりしてまとめてみることを細分化と言いますが、自分の気持ちを細分化できている人ほど、こころが安定しやすくなることがわかっています。

もしこのようなことをすでに試みていて、「やってみたけど全然思い浮かばない」といった感じであれば、まだその段階ではないのかもしれません。

その場合はひとまず学校に行こうとする気持ちは手放して、しばらく休養を取る方が良かったりもします。

また、自分の気持ちや考えがわからないなら手の打ちようがない、というわけでもありません。もちろん細分化できた方が望ましいですが、わからないならわからないなりに他にやりようがある可能性もあります。

何事もその人に合ったやり方や順序、それをやるタイミングというものがあるので、それらの判断をするのはある程度リアルタイムであなたと接することができる人がするとよいのですが、学校のスクールカウンセラーさんと面談してみたことはあるでしょうか？

ある程度心理の専門性がある人と問題を「わかちあう」ようにすると、打ち明けるときは勇気が必要なのですが、その後はだんだんと問題は改善傾向に向かい、ストレスが減少していくことが調査によってわかっています。

反対に、自分だけでなんとかもがいたり、家族などの内輪だけでなんとかしようとしても、ただつらい時間だけが過ぎて、結局改善しない傾向になりがちであることもわかっています。

スクールカウンセラーでなくても専門性がある方ならよいと思いますが、第三者の方で、誰かと定期的につながって、問題をわかちあうようにしてください。その方が今よりもきっとストレスは減ります。

長文読んでいただきありがとうございました。

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回答日時：2017年6月14日(水) 11:17 JST

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