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回答プロ: 武田 敬子
ご相談者:20代/女性
母方の祖父母の遺産相続のことでご相談したく思います。
祖父は平成12年8月に、祖母は平成19年1月に他界しました。
子供は娘三人、次女が私の母です。
土地・家は、祖父名義のまま、祖母の財産は母が預かり、管理しています。
まずは、三人の娘について、説明しておきたいと思います。
? 長女
娘が二人。
夫の仕事の都合でかねてから大分に在住。
マイホームも持ち、生涯大分を離れる気はなかったのであろう、常日頃から母に、「遠くてなかなか行けないから、お願いね」と実家に帰るつもりは微塵もない様子であった。が、祖母の死後、間もなく離婚。
夫の様々なトラブルが原因のようで、離婚前より、母には相談、悩みの電話やメールがあり、母はそのたびに親身になって話を聞き、涙を流しながら励ました。
また祖母の最期の時期とも重なったため、母は身体的にはもちろん、精神的にかなりまいっていた。
離婚後、アパートでの生活、新しい勤め先になじめず、精神科に通うような状態となるが、このときも母が心から心配し、母がメールや電話で励ますとともに、小包なども送り、応援した。
母が必死で叔母の支えになろうとし、またそうなっているのを私も感じた。
? 次女
私の母である。
子供は私の他に妹がいる。
結婚当初は実家で祖父母と同居。
後に私たちの通学等の都合で別居を始めるが、車で十分かからないほどの距離に住んでいたこともあり、私たちは祖父母に特別に可愛がられた。
反面では、父も母も祖父母の面倒をよく見た。
そのこともあってか、祖父も生前、姉妹みんなの前で、ゆくゆくは家を父母に見てもらいたい、代わりに残りの二人には家賃としていくらか譲る旨明言したという。(正式な遺言がないのでどうにもならないだろうが…。)
祖父の死後は、祖母を買い物へ連れて行き、庭の剪定等は父が代わり、長期留守にするともなれば、郵便物をチェックしに行ったりもした。
また毎月々の祖父の月命日は、祖母が「一人は嫌」と言っていたこともあり、母は毎回出席した。
初盆、三回忌、七回忌等ともなれば、一家総出で掃除など準備から手伝った。
その際他の二人はお客さんも同然の様子であった。
そもそも祖母が心臓を患い、最後に入院した際も、足のむくみを発見し、翌日すぐに病院に連れて行き、一日がかりの検査に付き合ったのは母だった。
入院当日も、入院後の検査も手術も、そして転院等もすべて母が付き添った。
また家の事もままならないほど、できる限り病院に通い、洗濯物など身の回りの世話
もした。
この入院の数か月前、祖母は脳梗塞でも入院している。
このときも入院、検査等すべて母が付き添った。
退院後も一人でおいておくのは心配ということで、ひと月以上家で一緒に過ごした。
祖母の財産は母が預かり、入院、転院の手続き等母が一手に引き受けた。
長い間、家を空けることとなったため、入院中より家の風通し、掃除、庭の手入れ、郵便物の管理等、父母がした。
祖母の死後、葬儀の手配はもちろん、喪主は父がつとめた。
その後も、祖母のいなくなった家の片づけ、手入れ等続けた。
? 三女
息子一人、娘一人。
早い時期に離婚、姓は戻している。
市内に住むが、実家にはあまり寄り付かず。
たまに訪れても何を手伝うわけでもない。
また何を逆恨みに思っているのか、常日頃から「親兄弟は何にもしてくれない、友達の方がよくしてくれるから、今住んでいるところを離れる気はない」とこぼしていた。
とにかく比較的近くに住んでいながら、祖母の入院、手術などの際も、いても仕方ない、仕事がある等の理由で、母に任せっきりだった。
実は祖母の足のむくみに一番に気づいていたのは彼女なのに、「この間よりいいみたいね」などとお気楽な様子で、このとき母が気付くまで、病院に連れていくことも、病院に行くようすすめることも、母に知らせることさえしていなかった。
一刻を争う状態だったというのに。
また祖母は日頃から「一人は寂しい」などと漏らしており、祖父の死後も、また脳梗塞で入院した時も、父母は実家に帰って一緒に暮らしてもいいという気持ちがあり、長女側も一人で放っておいたらだめだという考えを述べていたが、この三女が「一人で頑張らなきゃだめだ」などと圧力をかけていたようで、実現しなかった。
簡単ですが、個人個人の説明はこれくらいにして、ここに来るにいたったいきさつを説明したいと思います。
平成19年1月祖母が他界、葬儀の手配や葬儀後の挨拶、香典返し等、母が引き受けました。この際、三女は自分関係のものは自分がやるということで、一部の香典を持ち帰りました。
また口座が凍結される前に、引き出しをしなければなりませんでした。このことは他の二人に告げており、そのための印鑑をもらいました。この手続きも大変なものでしたが、母が書類を取り寄せたり、記入したり一人でしました。
長女と母は入ることができないので、お墓は三女が譲り受ければいいとの話になりました。長女は“お墓は三女でも、世話をしたのだから家は当然母に”と言っていました。“三女も文句は言わないだろう”と…。ただ、“ゆくゆくは帰ってきたい気持ちもあるから、建て替えの際は部屋を用意してほしい”とのことでした。
ところが三女に“家も老朽化しているし、法事がきちんとできるように、みんなが帰ってきやすいように建て替えて、実家に帰りたい”旨伝えたところ、「実家に帰るなんてあつかましい」、「確かに世話にはなったかもしれないが、やろうと思えば誰でもできること」、などとののしられました。
他にも“おばあちゃんが好きだった家を建て替えるなんて許せない”、“住もうと思えばあのままでも住める”、矛盾していますが、“あの家はあのまま朽ち果てていくんだ”などとも言いました。
初盆の法要の際、家の話に加え、遺産分割についても話そうとしましたが、“お姉さんが大変な時に急ぐ必要はない”、三女からと一蹴されました。
とにかく三女は母が実家に帰るというのには全く応じない様子で、そのためか遺産分割の話もしたがりませんでした。
この間も母はずっと、長女の悩みを聞き、元気づけていました、そのときに、“あんまり辛いなら、頑張りすぎないで早く帰ってきたらいい、元気なうちのほうが環境にも慣れることができるだろうから”という話も何度かしたようです。しかしこのときは、“娘たちもいるから、まだ頑張る”、“帰れない”とのことでした。
そうこうしているうちに、一周忌も終わりました。
一向に帰れそうにもないので、春ごろより父母は別の家を探し始めました。
もともとお盆は祖父の命日に当たるので、祖母の生前は母が付き添い、月々のお参りをしてもらっていましたが、初盆や三回、七回忌以外は、みんなで集まるというのはやっていませんでした。
ところが今年のお盆前になって“お盆はどうしますか”と、三女の方から接触してきたのです。どういう風の吹きまわしでしょう。
お盆当日、実家を訪れると、三女とそしてなんとついこの間まで母に泣き言のメールを送ってきていた長女が隣同士に座って待ち受けていたのです。そして、お参りも終わらないうちから、“お姉さんが実家に帰ってくるから、土地建物の名義変更の書面に印鑑を押すように”と三女が言いました。さらには“生前祖母は本当は長女に財産を預けたがっていたから、財産も長女に渡すように”と言うのです。
このときになって初めて出てきた嘘か本当かも分からない話です。信用できません。それに仮に事実だとしても、最終的に預かったのは母ですし、葬儀、初盆、一周忌等大きな法事が一通り終わるまでは母にやらせておいて、そんなことが通るのでしょうか。母が働きかけをしていた時には応じなかったのに、まるで母が財産を独り占めしているかのようないいぐさなのです。
このとき長女はただただ胸を押さえて黙っているだけ。母としてみれば、善意を踏みにじられた思いでいっぱいだったと思います。
この日以来、長女からの悩み電話もメールも一切ありません。
母に対して、“実家に帰りたい”、“いつ頃帰る”などと何も告げず、裏では三女と落ち合い、週末などに荷物を運び入れているようです。
そこでお尋ねしたいのです。
一、 こうなった今、母はもう長女も帰ってきてほしくはないようですが、祖父名義の家に
長女が勝手に帰ることは許されるのでしょうか。
それを避ける方法はありますか。
二、 もしやむを得ず長女が帰ってきた場合、絶対に名義変更はしたくありません。どうす
ればよいでしょうか。(三女が自分が帰るわけでもないのにムキになるのは、いったん長女に名義変更した後に、自分の長男に名義変更させようと意図しているのではないかとも思われるのです。)
三、 名義変更せずに長女が帰った場合、固定資産税の支払いはどうなりますか。(母は自分
が帰れるわけでもないのに、固定資産税を払ってまで残したいという思いはありません。)
また、家の出入りはどうなるのでしょうか。
四、 長女は帰ってくるのにあたって家をリフォームしたいようですが、“この費用は出して
もらえるのかしら”と言ってきます。勝手に帰ってくるのに、出す必要があるのでしょうか。
“部屋は掃除したけど庭はどうにもならないから、業者に頼んでくれ”と言っていますが、これも必要があるのでしょうか。(そもそも家も庭も祖父母が手入れできなくなってからそのままにしておいたなら、今頃は住めない状態になっていたはずです。なんとか修復できる状態なのは、父母が管理してきたからなのに、彼女たちは自分が帰ろうかとなって初めてちょこっと手を加えただけで、自分たちで住めるようにしたつもりになっているのです。本当に許せません。)
五、 三女はお墓を譲り受けるにあたって、その将来の管理費を自分の長男の口座に振り込
めと言ってきます。自分たちが入るお墓なのに、そんな必要があるのでしょうか。
六、遺言がない状態では故人の遺志が分かっていても、原則三分割なのは重々承知しています。しかし、なんとかならないものでしょうか。(お金がいっぱいほしいわけではなく、世話もなしに財産だけあてにする彼女たちの態度に腹が立ちます。)
ご多忙のこととは存じますが、よろしくお願いいたします。母を思うといたたまれない気持ちでいっぱいです。
20代/女性 | 日付:2008年12月 4日(木) 11:28 JST | 閲覧件数: 3,437
はじめまして。
普段は何もしないのに、遺産分割の際には声が大きくなる人はどこにでもいるようです。
一生懸命やるべきことをやってきた人には辛いことですね。
一について
法的には遺産分割がなされるまで、遺産は相続人の共有とみなされますので、3人とも
住む権利はあります。
が、実際問題として一度住んでしまった人を立ち退かせるのは大変なので、それを避けたいなら
先に住んでしまった方が良いでしょう。
二、三、四、五について
名義変更したくなければ印を押さなければ良いし、払うべきでないと思ったら
払わなければ良いのです。
いずれにしても住む本人が支払うべきもので、お母様が支払う筋はないでしょう。
六について
長女、三女の言い分はわかりました。次は、二女(母)の言い分をはっきりさせる
必要があります。
言い分がはっきりしない限り、話合いも相手を説得することもできないからです。
自分で説得できないのであれば、家庭裁判所の遺産分割調停を利用してください。
回答日時:2008年12月 5日(金) 20:29 JST
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お忙しい中、早くもご返答いただきありがとうございました。大変参考になりました。思った通りにはいかなくとも、法律上どうにもならないと分かれば諦めもつきます。母にもこのことをいつまでも引きずらず、楽しく生きてほしいので、できる限り早く、協議の上、まとまらなければ調停手続きをとり、スッキリしたいと思います。本当にありがとうございました。
| 20代/女性 | コメント投稿日:2008-12-08 |