百世安里先生

「あなたはまるごと素晴らしい」
私たちに出来る事は生かされた命を大切に生き切ることです。
自分をもっと愛していきましょう。

 

百世安里先生のプロフィールはコチラ

PTSDとトラウマの専門家。一般社団法人メンタルサポート・ジャパン代表理事。「トラウマ解凍ワーク」開発者。

自身が娘とともにストーカー的いじめ被害にあい、警察・裁判・心療内科を経験したサバイバー(快復者)。2009年、自身の演劇経験をもとに、インプロスキルを活用したオリジナルワークを開発。以降「トラウマ解凍ワーク」としてほぼ毎月開催。体験者ならではの視点や体感を活用して、体と心の解放をめざす。誰もがイキイキと自分らしさを発揮できる社会創りに取り組んでいる。

----- PTSDとは?

インタビュー風景   こんにちは。トラウマとPTSDの専門家、百世(ももせ)です。
  私は、PTSD診断を受けて快復したPTSDサバイバーであり、「トラウマ解凍ワーク」という心のケアワークを2009年より毎月開催しています。
  いま感心が高まっている「PTSD」は、地震後の一年半で検索件数が約2000万件というビッグキーワードとなりました。
  まだまだ名前だけが一人歩きしているような状態ですので、わかりやすく解説していきますね。

  PTSDとは、Post Traumatic Stress Disorder「心的外傷後ストレス障害」の略で、「トラウマ」という言葉が入っていますね。
このトラウマとは、古代ギリシア語で「キズ」を意味した言葉で、過去のイヤな思い出からPTSDまで「心のキズ」全般を言います。
実際、PTSDにかかった脳の断面画像を撮影すると、穴があいていることが多いのです。まさに「心的外傷」。本当に脳がキズつくんですね。ただ、この穴は快復してふさがっていくこともできるので、安心してくださいね。

  このPTSDは医療用語で、次の3つの症状が「診断基準」になっています。
  つまり、お医者さんが他の心の病気と見分けて、医学的にPTSDだと認めるポイントですね。いわば、PTSDという病気の特徴とも言える症状。

1.再体験(フラッシュバック、侵入とも言います)
2.回避、麻痺
3.過覚醒(覚醒亢進とも言います)

  実際には体験していなくても、映像などで疑似体験することで、似た反応が現れることもあります。みなさんも、地震や津波の映像を見て、心臓がドキドキしたりしたのではないでしょうか。こういった症状が、本人の意思に関わらず(つまり、止めようとしても止まらないで)、1ヶ月以上続く場合にPTSDと診断されます。

----- PTSDの症状は?

  ではPTSDの3症状、1.再体験、2.回避、麻痺、3.過覚醒について、もう少しくわしくご説明しましょう。


1. 「再体験」は危険や恐怖が心にはりついて、思い出したくないのに、嫌でも思い出してしまう症状です。フラッシュバックという言葉がポピュラーですね。寝ている間も悪夢がおそって、寝つけなかったりします。

2.体験があまりに重く直視できないため、関連するものを避けることを「回避」と呼びます。また3の「過覚醒」でキャパオーバーとなり、その反動で寒暖や痛みなどの感覚が鈍ったり、ボーッとしてしまうのが「麻痺」です。記憶や感覚が凍り付いて、部分的な記憶喪失が起こることもあります。

3. 「過覚醒」は危険から身を守るために、防御・臨戦モードが続いた状態です。物音にビクッとしたり、極度の緊張や不安が高まったままになります。非常ベルのアラームが鳴り続けているような感じと言ったらいいでしょうか。そのため、体がカタクなる方が多いです。

  こういった症状は、どれも過酷な体験に向き合って起きるものなんですね。。
  いわば、自分を守るための本能的な反応とも言えるでしょう。
  そして、この症状が本人が意識する・しないに関わらず、自分でも「コントロールできない」状態でずっと続いてしまうのがPTSDなのです。
  では、なぜこういったPTSDの症状が起きるのでしょうか?

  PTSDは「危機や危険」が原因にあり、それによって「安全が覆される」「恐怖」の体験がベースと言えるでしょう。
  つまり、「外部からの大きな力(被害)によって引き起こされる症状」という点が、他の心の病気と大きく違うところだと言えそうです。
  そのため、PTSDには「無力感」「喪失感」「孤独感」などを伴いやすいのです。
  絶望や無感覚、将来が狭まった感じ、怒りや否認、うつなどの状態が起きてきます。だからこそ、周囲が共感とサポートをしていくことが大切です。

  PTSDの症状は、いやな体験の再現や、防御の反応がエンドレス・リピートしてしまうため、とても苦しいのです。
  そこでPTSDがどうやったら楽になるんだろうと開発したのが、「トラウマ解凍ワーク」です。http://blog.goo.ne.jp/momose1000

  次回は、悩み辞典にもよく寄せられるご相談ですが、危機が去ったあとで、心の苦しさが起きてくる仕組みをご説明しましょう。

  「あなたはまるごと素晴らしい」。私たちに出来る事は、生かされた命を大切に生きることです。自分をもっと愛していきましょう。
インタビュー風景

 


 

過去の記事


セミナー情報

●「心のしくみとケア」シリーズ講座 月1回開催●

1.PTSDのしくみとケア ~症状から快復法まで~
2.トラウマのしくみとケア ~心のキズの快復法~
3.アダルトチルドレン(AC) ~抑圧~
4.ダブルバインド ~矛盾と混乱による支配~
5.ビリーフ ~思い込みを手放す方法~
6.自己肯定感 ~自分を信じることは、生きる基礎~

この講座は、一方的な講義ではありません。
「解説シート」をご用意して、わかりやすくお話しながら、みなさんがどう感じるかも共有し、テーマを深める場です。

そこで、「こういう風に感じるのは、自分だけじゃなかった」という共感や安心感の感想を、たくさんいただきます。

もちろん個人的体験のシェア会とは違いますので、ご安心を。

なんだか気になることがあるとき。
自分の気持ちを整理したいとき。
どうぞご参加ください。

次回は、9月12日(水)「PTSDのしくみとケア」がテーマ。
詳細は、順次こちらにアップしています。
http://blog.goo.ne.jp/momose1000

Info

社会起業家スタートブック――自分と社会を活かす仕事

悩み辞典の管理人も読ませて頂きました。
話し言葉で書かれていて、とても読みやすい内容です。

 

 

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